商品先物取引入門
2リスクヘッジ
商品先物取引は、価格変動に対する「保険」としても活用されます。 例えば、商売をする上で、商品の仕入れと販売の間の時間が長ければ長いほど、商品の価格変動によるリスクが大きくなる場合があります。
このような時に、先物市場で現物とは逆のポジションを 持つことで、現物市場でのリスクを回避することができます。
これを「リスクヘッジ」と呼び、「保険つなぎ」とも言います。
商売をする業者にとって、値段の動く商品を扱うことは、いつでもその値動きによる危険にさらされていることになります。
商品先物取引において、この価格変動に対するヘッジ機能があるからこそ、業者は安心して生産・加工等の本来の仕事に専念できます。
ヘッジ機能は、商品先物取引が持つ最も大きな役割の一つです。
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予想通り値段が下がっても、先物市場で現場市場の損失分をカバーしているため利益を確保
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先物市場で原材料の値上がり分をカバー、製品の販売価格に転嫁することなく当初の利益を確保
例えば、ある農家が4月に作付をするとき、収穫時期にあたる先物市場の10月限に売り契約をします。
10月になり、その年が豊作であれば現物市場は値下がりして損失が発生しますが、同じように先物市場の価格も値下がりして、先物市場では利益となり、当初予定していた価格(10月限の先物価格)で売れたことと同じ結果になります。
また、逆に価格が高騰すれば、現物市場では予想以上の利益を得られますが、先物市場ではその分損失が発生しますから、結局は当初の予定通りの価格(10月限の先物価格)で売れたことになります。
このように経営者にとってリスクヘッジのできる先物取引は、安定した経営をするために必要不可欠と言ってもいいでしょう。