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委託者債権保全の仕組み

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商品先物取引入門

7委託者債権保全の仕組み

受託業務の許可を受けた商品先物取引業者(「受託商品先物取引業者」)は、大勢の委託者から多額の取引証拠金などをお預かりしており、その責任は重大です。しかし、万一倒産するようなことになったら、委託者からお預かりした現金や有価証券をお返しできなくなってしまうこともないとはいえません。

こうした不測の事態に備え、商品先物取引業界ではクリアリングハウス制度により、委託者債権の保全を図っております。

取引証拠金の直接預託制度

金融商品取引法、及び、商品先物取引法に定められた証拠金制度は、委託者が取引の担保として預託する取引証拠金を(株)日本証券クリアリング機構(以下「クリアリング機構」といいます。)に預託する(直接預託といいます。)ことを原則としています。実際には委託者が商品先物取引業者に差し入れた取引証拠金を、商品先物取引業者が代理人となってクリアリング機構に直接預託します。また、委託者が差換預託に同意し、委託証拠金として商品先物取引業者に預託した場合には、商品先物取引業者は委託者から預託を受けた額以上の取引証拠金をクリアリング機構に預託することになります。

万が一、商品先物取引業者に債務不履行(違約)等が発生した場合、委託者はクリアリング機構に預託されている取引証拠金に対して、クリアリング機構にその返還を直接請求することができます。その際、委託者が取引証拠金として直接預託をしていた場合には、クリアリング機構に預託された現金の額及び充用有価証券等の時価評価額を限度として、委託者が商品先物取引業者に対して負担する未履行の債務(損金、委託手数料等)を控除した額について、返還請求権を有することとなります。(委託者からお預りした取引証拠金は翌営業日にクリアリング機構に預託されます。このタイムラグ等の理由により、クリアリング機構に預託されている額が返還請求権に係る額を下回るときは、当該不足額は一定額を限度として委託者保護基金に請求することができます。)

また、委託証拠金として充用有価証券等又は充用外貨を預託していた場合には、その返還は金銭で行われます。充用有価証券等又は充用外貨を現金化するための換金費用は、当該取引証拠金の額から差し引かれます。なお、充用有価証券等又は充用外貨は相場の変動等により価格が変動しますので、その変動によっては返還請求権を有する額全額の返還が受けられないことがあります。この場合、これらの換金費用及び相場の変動等により減少した分については、一定額を限度として委託者保護基金に請求することができます。

委託者保護業務

委託者から取引証拠金、委託証拠金のいずれを預かる場合であっても、商品先物取引業者は毎日クリアリング機構に預け入れますが、実際には委託者が預けるのと同時に商品先物取引業者がクリアリング機構に預け入れることはできませんので、その間、一時的に商品先物取引業者の手許に委託者の資産が保管されることになります。その場合、商品先物取引業者は、この間、当該資産に相当するものについて、保全対象財産として委託者資産の保全措置を講じなければなりません。

また、委託者の同意を得られれば、証拠金としてではなく単なる商品取引受託業務に係る預り金(以下「預り金」といいます。)として金銭等を商品先物取引業者に預託することもできますが、この場合も商品先物取引業者は当該資産相当額について保全措置をとる必要があります。

主務大臣の登録を受けた「委託者保護会員制法人日本商品委託者保護基金」(以下「委託者保護基金」といいます。)は、全ての商品先物取引業者に加入が義務付けられた「委託者保護業務]を行う会員組織の法人であり、商品先物取引業者の財務、特に委託者資産の保全状況を監視する役割を担う組織として設置され、委託者に返還請求権のある取引証拠金としてクリアリング機構に預託されたものを控除した委託者資産に相当する財産(保全対象財産)を保全する制度の核となっています。

この委託者保護基金の委託者保護業務は次のとおりです。

  • (1)商品先物取引業者がその一般委託者(委託者のうち機関投資家等の商品先物取引のプロであるものを除くものをいいます。)に対する円滑な弁済が困難と認めたもの(補償対象債権)に対し委託者一人当たり1千万円を限度とする支払業務
  • (2) 一般委託者への円滑な弁済に必要な資金の貸付(返還資金融資)業務
  • (3) 保全対象財産の商品先物取引業者からの預託の受入れ及び管理業務(基金分離預託業務)
  • (4) 迅速な弁済に資する業務(信託管理人業務、銀行等保証委託契約関連業務、基金代位弁済委託契約関連業務等)等
  • (5) 委託者保護業務に関する調査研究などの附帯業務

委託者保護基金は、商品先物取引業者が不測の事態(弁済事故)に陥ったときに委託者保護業務を展開し、平常時は商品先物取引業者が不測の事態に陥らないように監視する組織として位置付けることができます。

委託者資産の保全とペイオフ

委託者資産の保全処置には次の4つの方法があり、いずれも委託者保護基金が行う委託者保護業務の一環として行われます。

  • (1)委託者保護基金を信託管理人の一人とし、委託者を受益者とする信託契約を商品先物取引業者と信託機関が締結することにより、保全対象財産を信託機関に信託して保全する方法(指定信託契約)
  • (2)保全対象財産を委託者保護基金に預託する契約を商品先物取引業者と委託者保護基金が締結して保全する方法(基金分離預託)
  • (3)弁済事故が生じた場合に委託者債務の弁済に必要な額を委託者保護基金に金融機関が支払うことを委託する契約を商品先物取引業者と金融機関が締結して保全する方法(銀行等保証委託者契約)
  • (4)弁済事故が生じた場合に商品先物取引業者に代わって弁済することを委託者保護基金に委託する契約を商品先物取引業者と委託者保護基金が締結して保全する方法(基金代位弁済委託契約)

これら4つの方法で保全された財産とクリアリング機構に預託されている取引証拠金額を合算すれば、委託者資産は全額保全されていることになります。このため、委託者保護基金は、この4つの委託者資産の保全措置を中心に商品先物取引業者の委託者資産の状況を監視し、その保全を徹底させています。しかし、商品先物取引業者が弁済事故に陥った場合、これら保全されていた資金を合算しても委託者に100%弁済できない事態が絶対起こらないとは言い切れません。そのような場合には、委託者保護基金は、一般委託者個々に対して、弁済されなかった分について1千万円を限度として支払うというペイオフ制度を適用し、対処します。

なお、無断売買、返還遅延など商品取引事故に係る債務は商品先物取引業者が積み立てた商品取引責任準備金で対応する制度になっていることから、ここでいう委託者資産、あるいは委託者債権や債務には、商品取引事故あるいは損害賠償金は含まれていません。また、委託者から委託者債権の譲渡を受け、又は何らかの債務の担保として委託者債権を取得したものは、委託者保護基金に支払を求めることができません。

アウトハウス型クリアリングハウスの効果

市場の信頼性の向上

今までの市場の債権債務関係は、東京商品取引所を除く取引所の場合、値洗いで損勘定になった会員の集団が債務者になり、益勘定になった会員の集団が債権者となって成立していました。これを取引所が仲介役となり、損勘定になった会員から損金を徴収し、益勘定となった会員へ益金を渡していました。

このシステムですと債権債務の関係は益勘定になった会員の集団と損勘定になった会員の集団との関係になるため、1会員の債務不履行(違約)が違約玉の反対建玉を有する会員集団全員の損失につながる可能性がありました。このため、市場参入リスクを算出するには個々の会員のリスクを算出しなければいけませんでした。

クリアリングハウス制度では清算会社(クリアリングハウス)自らが取引の債権債務の相手方となるので、市場参入リスクは清算会社のみを対象に算出すればいいことになり、投資家の市場への信頼性が向上します。

資金の効率化

今まで複数の取引所に加入する取引員は、場勘定が取引所ごとに発生するため、損口座と益口座がある場合、口座間の振替には一定の時間を必要とするため、損口座については一時的な資金の手当てを行わなければいけませんでした。

アウトハウス型のクリアリングハウス制度では、従来の決済口座数4口座(2取引所×(自己+委託))が1口座になることで商品先物取引業者の運転資金の効率化が図れるようになります。

その他の利点

その他、証拠金及び値洗損益金の委託者ごとのプール計算の継続を可能とすることによる投資家資金の効率化、充用有価証券の一元管理に伴う効率的運用、商品先物取引に係わる事務の簡素化及び合理化(場勘定の決済、証拠金管理及び充用有価証券事務の一元化に伴う商品先物取引業者の事務の軽減)などにより、市場の透明性がより増すようになります。

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