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市場が注目する各国要人発言のインパクトと捉え方

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為替市場の特徴のひとつ「各国要人発言」の捉え方

FXにおけるショートポジションの基礎

為替市場の特徴のひとつ「各国要人発言」の捉え方

FXにおけるファンダメンタルズ分析の基本は、主に2国間における金利、物価、国際収支、景気動向、通貨供給量それぞれのバランスになります。こういった観点から、多くの投資家が注目するのが、各国が発表する経済指標かと思います。

経済指標においては、「予想に対する結果値によって市場の好悪判断が決まる」という点は、別記事「▼FX初心者が最初にすべきポイント?その3【経済指標編】」でもご紹介したとおりですが、FX取引の参加者にとって、もう1つの重要なイベントとなるのが要人発言です。

「各国要人」という言葉自体、聞き慣れない部分かもしれませんが、ここで言う要人とは、金融市場に影響を与えるような重要人物を指し、具体的には、各国中央銀行の総裁をはじめとした金融政策決定会合のボードメンバー、大統領や財務大臣、財務長官などとなります。

特に米国におけるFRB議長や財務長官の発言は、為替市場に限らず、株式市場も含めた金融市場全体に強いインパクトを与え、値動きの大きなきっかけとなることが珍しくありません。

例えば、仮にFRB議長が何かしらの講演で「足許のインフレ圧力は、FRBが予想していたよりも強い」との発言をすれば、市場は「(インフレ是正のために)近々利上げをするだろう」と考えるのが自然で、この発言自体がドル高の材料になるほか、金利上昇、株安や金価格下落の要因になることが考えられます。

もちろん、要人発言をすべての市場参加者が鵜吞みにするわけではないため要人発言を受け市場がどの程度反応するのかは、参加者の反応やインパクトに違いはありますし、発言の影響力の度合いという観点でも、FRB議長や副議長の発言と、投票権のない連銀総裁が発言するのとでは、同じ要人発言でも重要度が異なります。

各国要人の発言などのスケジュール情報についてはウェブ上でも取得できますが、最低限中央銀行総裁の景気見通しやインフレ見通しに関する発言内容はチェックしておきたいところです。

という事で、今回は為替市場が注目する各国要人発言のインパクトと捉え方についてご紹介していきます。

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金融政策の先行き見通しに対する発言には要注意

金融政策の先行き見通しに対する発言には要注意

くりっく365やFXに取り組む個人投資家の多くは、NY市場の時間帯での参加が多いかもしれません。また、NY市場ではFRB議長、ECB総裁、BOE総裁などの発言に注目必要となります。

市場参加者は主に、金融政策、特に政策金利の行方にフォーカスしていますので、現状の金融政策が利上げ方向なのか、当面様子見の横ばいなのか、はたまた利下げ方向なのかを理解した上で、今後、具体的にどうするのかのヒントを要人発言から探ろうとします。

発言を行う側も、明確な方向性を示してしまうと市場の急変動を招くため、当たり障りのない範囲での発言に留めたり、金融政策決定会合で突然、金融政策を変更すると大きな混乱を招くため、要人発言で政策変更をほのめかしたり、場合によっては、金融政策の方向性について明確なサインを出すことさえもありえます。

もちろん、金融政策を変更前には、様々な経済指標が、利上げや利下げを示唆することが多いため、市場参加者もある程度「次回の金融政策決定会合で利上げ(利下げ)するだろう」といった思惑を巡らせるわけですが、その思惑を確定的にするような発言が要人から発せられたり、逆に市場が織り込んだ利下げや利上げを否定するかのような発言が出たりすると、FXや株式市場へもその影響が及ぶという事です。

なお、米国の金融政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)は、FRB議長・副議長のほか5名の理事、そして12の地区連銀総裁が年替わりで、合計12名で構成されますので、議長・副議長はもちろん、投票権のある地区連銀総裁の発言なども注目されやすい傾向にあります。

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発言内容のインパクトが持続的になるかは市場全体の見極め次第

ショートの魅力

経済指標の結果も同様ですが、要人発言においても

・初動こそ大きく動いたけど、すぐに値動きが収束してしまうパターン
・初動も大きく、その後も発言の影響が続くパターン
・すでに織り込み済みでほとんど影響がないパターン

など、市場の反応はケース・バイ・ケースです。

ちなみに、FRB(米国連邦準備制度理事会)には、連邦準備法において

・物価の安定
・雇用の最大化

の2つが責務として課されています。(=二つの責務:デュアルマンデート)

したがって、為替変動のファンダメンタルの1つである金利動向を探る上でも、インフレ指標であるCPI(消費者物価指数)やPCE、労働市場を把握する雇用統計に注目が集まるわけです。

更に、これら経済指標の結果を受け中銀高官が

・どのようなスタンスでいるのか?
・どのような発言をするのか?
・市場がどのような反応をするのか?

がポイントになります。

もう一点、特に各国中銀金融政策会合直前は、「ブラックアウト期間」と言い、中銀高官からの発言が無くなります。したがって、特にブラックアウト期間に入る直前の要人発言には注目しておきましょう。

FOMCや日銀金融政策決定会合で発表される内容を推測することができるからです。
もっと、はっきり言えば、発表される金融政策の結果は、特にブラックアウト直前までにおこなわれた要人発言の内容を大きく逸脱することは経験則上少ないからです。

したがって、ブラックアウト期間直前までの要人発言は特にチェックをしておきましょう。

まとめ

今回は、要人発言の捉え方などについてお伝えしました。
相場格言で「政策に売り無し」と言います。
経済指標だけでなく要人発言にも目を向けることで、金融政策の方向性が理解できます。
もし、これまでチェックされていないようであれば、今後は是非、確認するようにしてみて下さいね。

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