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売りから入るってどういうこと?FXにおけるショートポジションの基礎

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売りから入るってどういうこと?FXにおけるショートポジションの基礎

FXにおけるショートポジションの基礎

買いはロング・売りはショート~そもそもショートって何?

FXのような証拠金取引、または株の信用取引においては、値上がり局面だけでなく、値下がり局面でも収益チャンスがあります。
値下がり局面で「ショートポジション」を取ることで、収益を得られるということです。
今回の記事では、この「ショートポジション」について深堀りして解説いたします。

安く買い高くなったら売るのがロング
高く売り安くなったら買い戻すのがショート

なぜ、ロングとかショートなの?

まず、取引において、買いは「ロング」、売りは「ショート」という表現をします。
そもそも論としてなぜ「ロング」とか「ショート」という表現なのでしょうか?

これには諸説あり、元々空売りを「ショートセリング(Short Selling)」と言っていたという説や、ポジションの保有期間が売りは短めで買いは長めだという説などがあります。

ちなみに、Short SellingのShortには「足りない」という意味があり、Short Sellingとは持っていない物を売るといったニュアンスになるわけです。

また、ポジションの保有期間が短い説については、「上がるのはゆっくりで下がるのは早いこと」や「カラ売りの場合は、貸株料・品貸料などのコストがかかること(FXではスワップポイントがマイナスになるケースが多いなど)」などの理由があるようです。

ショートポジションは取りにくい?

一般的な商取引をイメージしてみてください。
何かを仕入れ(買い)、それを売って利益を上げるというのは簡単にイメージできます。

一方、販売してから仕入れるという商取引も実際にはおこなわれています。
例えばカーディーラーが車を売る場合や公共事業の入札などです。
カーディーラーは、先にお客様に車を売り、その後自動車メーカーから車を仕入れています。
公共事業などの入札もこのくらいの価格であれば利益があがるだろうという金額で入札し、それが落札(≒売る)されれば、下請けなどに発注(≒買う)をおこないます。

しかしながら、初心者のFX投資家には、この「売り」から入る(ショートポジションを取る)取引は、ややハードルが高い印象があるようです。

その大きな理由は主に次の3つがあげられます。

1. 投資については現物株式や投資信託など、値上がり益を狙うイメージが強い
2. 日本の低金利政策で、特に米ドル/円やクロス円の取引では売りだとスワップポイントが支払いになる
3. 売りは下がれば利益で上がれば損失となるが、可能性として値下がりは0以下になることが無いため限定され、値上がりは無限大

このような理由(特に1番)から

ショートポジションを取ることに抵抗を感じる初心者は多い

ようです。

とは言え、FX取引は、ロングでもショートでも価格変動とスワップポイントで収益を狙う金融商品なので、相場変動が予測できるのなら、ショートポジションを取ることも上手く活用すべきでしょう。
実際の取引においても、FXをある程度取引されていらっしゃる方は、「売り」を経験されている方も多いんです。

次の表は、2023年12月15日の取引終了時時点におけるくりっく365全通貨ペアのポジションバランスです。

くりっく365全通貨ペアのポジションバランス

米ドル/円やユーロ/円など、取引所全体でショートポジションの方が多い通貨ペアが結構あることがわかります。このように、ショートポジションを持つことは比較的一般的なんです。

また、初心者の方が、ショートポジションに対して疑問を感じる理由の1つには、

「持ってないものをどうして売れるの?」

というものもあります。
しかしながら、「売ってから買う」というのは、商取引でもある訳で、

上昇局面でも下落局面でも収益機会がある

と捉えて、そういうものだという認識を持つことが重要です。

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そんなショートポジションの基礎についてご紹介いたしましたが、次にショートポジションのメリット・デメリットについてみていきましょう。

まずメリットについてですが、ロングもショートも基本的に価格変動リスクは同じです。
しかしながら、経験則的には、

上昇はゆっくり、下落は急激

という傾向が、チャートの多くの局面から確認できるのも事実です。
例えば、サブプライム問題からリーマンショックにかけての下落局面などです。
米ドル/円 日足チャート(2005年1月1日~2009年12月31日)

米ドル/円 日足チャート(2005年1月1日~2009年12月31日)

出所:ブルームバーク

こういった相場の急落局面では、ロングポジションは急速に評価益が縮小、評価損が拡大致します。
一方で、ショートポジションは短時間で大きな利幅を得ることができたという事になります。
このようにロングポジションが長い期間ポジションを保有して得られる利益を、

ショートポジションでは比較的短い期間で得られるケース

があるということです。

特に、何かしらのネガティブ材料によりマーケットがリスク回避的になると、全世界の投資家は一旦リスク商品を手仕舞うという動きになりやすく、こういった要因が「相場急落」の背景にあるのですが、こうした流れに上手に乗って

ショートポジションを持つ

ことができれば、相場の急落局面こそ、まさに収益チャンスと言えます。

続いてデメリットですが、特に米ドル/円やクロス円の取引では、スワップポイントが支払いなるという点が挙げられます。

しかしスワップポイント損益は、価格変動の差損益に比べると小さいです。

例えば、2023年12月時点での米ドル/円のスワップポイントは、1枚当たり約220円/日。
値動きに直すと1枚あたり0.02円程度です。

ちなみに、2023年1月1日から12月18日の米ドル/円の1日平均の値幅(高値−安値)は、1.30円で、標準偏差は0.69円。

1か月のスワップポイントは約6,600円なので値幅換算で0.66円。
2023年1月から11月までの米ドル/円の月間平均の値幅(高値−安値)は4.56円で標準偏差は2.69円ですから、スワップポイントの損益は、長期保有することで拡大するものの

価格変動による損益に比べると小さい

のです。

しかしながら、ロングポジションを保有し相場が思惑に反した場合なら「そのまま塩漬けにしてもスワップポイントが溜まるからいいや」という考えで売買戦略を考えられる一方で、ショートポジションで相場が反対に動くと、日々スワップポイント分の損失も加算されて膨れ上がっていくので、

ショートポジションを取る際には、ロングポジションを取る際よりもストップロスの設定が重要

なのです。

言い換えれば、ショートポジションを取ることは、ストップロスを置く習慣を身につける練習にもなり得るという事です。ストップロスを置けるようになれば、ロングポジションを取る際にも活用でき、取引の上達にもつながると考えられます。

まとめ

ここまで解説したように、FXでショートポジションを持つことは、比較的普通の事なんです。
しかも急激な下落時などは、ロングポジションで利益を狙う場合よりも早く大きな利益を狙う事もできるんです。

特に米ドル/円やクロス円などの通貨ペアは、日本との金利差からスワップポイントによる損失が積み上がる可能性があるわけですが、それ以上の値動きが狙える場合であれば、是非、積極的にショートポジションを活用してみてください。

そして、その際にはストップロスを上手く活用してみてください。

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