FX初心者が最初にすべきポイント?その4【メンタル編】
勝ち続けるのではなく「残り続ける」ことを重視する
個人投資家であれ、機関投資家であれ、為替市場で勝ち続けるのは不可能と言っても過言ではありません。全ての取引において、すべて収支をプラスにしたいと思うのは当たり前かもしれませんが、FXの場合はレバレッジ取引である以上
為替レートの値動きに対して、評価額の変化が大きい
という傾向がありますので、特に取ったポジションが思惑に反して逆方向に行ってしまった場合、傷口がどんどん広がって損失が大きくなってしまいます。ゆえに専業の機関投資家などは必ずストップロスを設定し、それ以上の損失が広がらないようにするわけですが
個人投資家の多くは塩漬けにしてしまう傾向・・・
というのが実情。
たしかに、ストップロスは損失を確定すること、つまり実際に損失額が口座残高から減ってしまいますので、感情抜きに淡々とそれを行動することはとても難しいことで、機関投資家は他人のお金・個人投資家は自身のお金、という点を鑑みても、
損切りは強靭なメンタルが必要である
ことは言うまでもありません。
損切りを迫られる場面における心理状態をイメージすると
・今切ったら〇〇円も損失になってしまう
・もう少し待てば戻るんじゃないか?
・損切りした直後に値が戻ったら最悪・・・
といった心理に支配されてしまう傾向にありますが、それと同時に
・今切れば〇〇円の損失で食い止められる
・待っていてもさらに損失が拡大してしまうのでは?
・損切りした後にさらに下落するかも・・・
ということも言えますが、なかなかこうした心理に至るのは難しいのです。
FXに限らず多くの金融商品においては、場合によっては損失を被る可能性があることが前提となりますが、逆に「損失を被る可能性の方が高い」という前提で取り組めば
いかに損失を限定して、利益を最大化するか?
という視点で取り組むことができるようになります。
特にFXにおいては、全戦全勝を目指すのではなく、10戦中1勝9敗でも良いので生き残り続けることが重要。場数を多く踏んで経験を積めば、感情に左右されずに冷静にトレードを行えるようになりますので、そのためのメンタルコントロールを身につけていきましょう。
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負け要因の多くが自身の感情をコントロールできなくなること
繰り返しとなりますが、損切りは苦渋の決断を強いられ、メンタル的にもしんどいのは誰でも同じです。さらに損切りができたとしても、気持ちが取り乱され、平常心を失うことで
この損失をすぐに取り返してやろう
という心理が働きやすいため、すぐに何ら根拠のないポジションを取ったり、短時間で負けを取り戻そうとして、大きなロットの取引をしてしまったりと、
冷静さを欠いた博打的なトレードになりやすい
というのが実情です。
大きな負けを喫してしまうケースの多くは、こうした冷静さを欠いた状態で取ったポジションが、さらなる損失につながってしまう場合が多いのですが、不思議なことに
利益が確定した取引は、次の取引まで冷静に見ることができる
もので、いかに心理状態が重要な要素であるかが、ご自身でもお分かりになるはずです。
勝った時ほど慎重、負けた場合は軽率
もちろん個人差はありますが、こうした心理状態になりやすいのも初心者ならではの傾向ではありますので、多くの経験を積んで、こうした心理状態に陥らないようなメンタルトレーニングが必要なのです。特に為替相場においては、
ストップを付けると一方向にどんどん下落(上昇)してしまう
傾向がありますので、どちらかというと
・勝ったときこそ相場の流れに追随
・負けた時はその日の取引はやめる
といったルールでも良いかもしれませんが、FX初心者の方は、まず少額・小ロットで取引をルール化することに慣れ、ネガティブな心理に支配されないよう損切りの練習をすることも、長く生き残るために必要なスキルなのです。
ちなみに、実際の取引を開始する前に「デモ口座」などで取引を行い、しっかりと準備する方も多いかもしれません。デモ口座では順調に勝ち続け、口座残高も増え続ければ自信につながると思いますが、
いざ本番のトレードを始めるとデモのようにはいかない
当然、デモ口座のバーチャルマネーと本番口座のリアルマネーとでは、自身の心理状態はまったく別ものになり、さらにはデモトレードで身につけた自信がかえって仇になってしまうことも少なくありません。
・デモトレードではストップロスが設定できた
・本番トレードではストップロスが設定できない
ということも「あるある」ですので、その点も踏まえて損失に対するネガティブなイメージを払拭すべく、メンタルを鍛えることを心掛けるようにしましょう。
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ストップを設定してルールに徹したトレードを心掛ける
では、実際にどのようにルール作りをしていけば良いのか?
という点においては、各個々人でトレードのスタイルであったり、取引のボリュームだったり、資金量であったりが異なりますので、一概に決めにくい部分もありますが、例えばドル円のトレードであれば
0.5円逆に行ったら損切りする
といったように、ポジションを取った時点で、買値(売値)の-50pにストップロスを設定すれば良いだけなので、初心者の方でも機械的に操作しやすいでしょう。なお、感覚的に「キリの良い50銭刻み」で売ったり・買ったりしてしまいがちですが、
約定レート:147.00円
ストップ:146.50円
としてしまうと、すぐにストップがついてしまう可能性があるため、
約定レート:147.00円
ストップ:146.40円
「146.50円を切ったら損切りしよう」というような考え方でも良いでしょう。
特に為替市場は、他の市場参加者もストップを置いており、仮に146.40円くらいまで下落すると、ストップをつけて一気に146円前半くらいまで下落することが多々あるので、その辺の値動きの傾向や判断なども、ある程度経験を積めば分かってくるようになります。
また、デイトレードなどの場合は、
一日の損失額限度やトレード回数を決めておく
といったルールも良いでしょう。
ストップロスの設定においては、頭では分かっていても行動に起こすのが難しいのは皆同じで、どうしても所有するポジションに評価損が出ると、見て見ないふりをしてしまいがち。そこをしっかりと実行していくことが、
初心者から中級者・上級者へのステップアップに必要なスキル
と言っても過言ではありません。
もちろん、今後多くのトレードを行っていくうえで、損切りしなきゃ良かったという場面にも見舞われることが増えてくるかもしれませんが、それはあくまで結果論。「仮に損切りしていなかったらもっと逆に行っていたかもしれない」という考えに切り替えることができるか否かが、為替市場で生き残る秘訣かもしれません。
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