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くりっく株365新規上場「銀ETF」のご紹介

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取引所CFD・くりっく株365新商品「銀ETF」のご紹介

2023年9月に新規上場する銀ETFって何?

2023年9月、CFD(くりっく株365)に銀ETFが新規上場します。
これまでくりっく株365市場のコモディティ分野では、「金ETF証拠金取引」と「原油ETF証拠金取引」の2銘柄を取扱っていましたが、新たに「銀ETF証拠金取引」と「プラチナETF証拠金取引」が加わり、商品ラインナップが拡充されます。

注意しなければならないのがCFDの原資産です。
くりっく株365で取引しているコモディティ銘柄の原資は「現物」ではなく「ETF」になっていることです。

今回上場する「銀ETF」であれば、銀そのものの価格ではなく、銀ETFである「WisdomTree 銀上場投資信託(証券コード:1673)」の価格が取引の単位としています。

銀先物価格と銀ETF価格に差異が生じるのか

銀先物取引の価格と銀ETF価格の値動きに違いがあるのか検証しています。

グラフ1.銀先物価格(2023年5月23日時点)

グラフ1.銀先物価格

(出所:TradingViewによるSILVER FUTURESチャート

グラフ2.銀ETF価格(2023年5月23日時点)

グラフ2.銀ETF価格

(出所:TradingViewによるWISDOMTREE 銀上場投資信チャート

グラフ1に表示した銀先物取引とグラフ2に表示した銀ETFの値動3の違い、分かりますか?

分かりにくいので、2つを重ねたものがグラフ3です。2020年12月28日を起点とした変動率は次のようになっています。

グラフ3.銀先物取引と銀ETF価格の変動(2020年12月28日起点)

グラフ3.銀先物取引と銀ETF価格の変動

(出所:TradingViewによるSILVER FUTURESチャート

青色の線が銀先物価格、ピンク色の線が銀ETF価格の変動です。タイミングによって多少のズレが生じていますが、基本的な変動についてはほぼ同じであることが確認できました。銀ETF(WisdomTree 銀上場投資信託)は銀の価格との連動を目指すETFであり、円建ての金融商品なので値動きはほぼ一致しています。

ちなみにこの銀ETFは、「ロンドン地金市場協会(LBMA)の規格にもとづく銀地金」を組み入れ対象にしいているので、「原油ETF」のように先物市場のサヤを気にする必要がありません。

原油ETF証拠金取引の特徴については、「コンタンゴとバックワーデーション」をご覧ください。

銀先物取引と銀ETF証拠金取引のどちらが有利か

金融商品を売買する際に考えなければならないのが「流動性」です。

今年(2023年)に入ってからの大阪取引所の銀先物取引の取引枚数は1日あたり73枚でした。一方、銀ETFの売買高は1日あたり1,030株ほどでしたので銀ETFの方が流動性のある取引と言えますが、他の銘柄と比べてしまうと出来高が多いとは言えません。どちらも流動性の低い銘柄と言えます。

東京証券取引所の現物株市場や、大阪取引所のデリバティブ市場は「オークション方式」で取引されています。オークション方式では株式や権利を売りたい人と買いたい人が取引所にオーダーを出し、売りたい人が提示した価格と買いたい人が提示した価格がマッチングした時初めて取引が成立します。流動性のある銘柄であれば望んだタイミングで売買できますが、流動性が低い場合はそうはいきません。たとえ安い値段で購入し、高くなったタイミングで転売しようとしても「買い手」がいなければ売ることができません。

そこで有効になってくるのが、「マーケットメイク方式」です。
マーケットメイク方式とは、マーケットメイカーが提示した価格で投資家が売買をおこなう方式です。最大の利点は、オークション方式よりも流動性が確保しやすい点にあります。
通常であれば、マーケットメイク方式の場合、マーケットメイカーが価格を提示し続けているので、相手がいないため成立しないということになりません。

価格変動が期待できるのに、市場参加者が少ない銘柄を売買するのであれば、マーケットメイク方式を採用しているCFD(くりっく株365)の方が、より安全に売買できると言えます。

銀の変動要因

World Silver Survey 2023によると近年の銀の需要と供給は次のとおりでした。

銀の需要と供給

供給

  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
鉱山生産 27,433 27,894 27,987 26,861 26,447 26,020 24,329 25,741 25,578 26,193
リサイクル 4,988 4,568 4,527 4,573 4,620 4,604 5,164 5,453 5,618 5,633
ネットヘッジ供給 332 67 434 264
ネット公式販売 36 33 33 33 37 32 37 48 54 53
総供給量 32,789 32,563 32,548 31,466 31,104 31,089 29,794 31,242 31,250 31,879

(トン)

需要

  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
産業用(全体) 13,714 13,791 14,850 16,026 15,900 15,853 15,201 16,427 17,309 17,929
電気・電子 8,393 8,470 9,609 10,566 10,296 10,181 10,011 10,918 11,555 11,889
…うち、太陽電池 1,507 1,684 2,915 3,166 2,877 3,043 3,109 3,423 4,365 5,011
ブレージングアロイ・ソルダー 1,657 1,586 1,524 1,579 1,613 1,626 1,475 1,566 1,524 1,549
その他産業用 3,665 3,735 3,716 3,881 3,991 4,046 3,715 3,943 4,229 4,491
フォトグラフィー 1,276 1,188 1,080 1,009 977 956 836 862 855 822
宝飾品 6,018 6,300 5,883 6,103 6,316 6,263 4,680 5,645 7,280 6,204
銀製品 1,663 1,813 1,664 1,848 2,086 1,905 969 1,267 2,286 1,731
ネット現物投資 8,803 9,621 6,621 4,844 5,149 5,816 6,368 8,522 10,356 9,612
ネットヘッジ需要 374 35 230 110 557
総需要 31,473 32,713 30,472 29,865 30,658 30,794 28,053 32,833 38,643 36,298

(トン)

出典:The Silver Institute

需要の49%は電気・電子部品や太陽電池などの産業用品として使われています。それ以外では現物投資に27%、宝飾品に17%が使われています。いずれの需要も景気動向に左右されやすい特徴を持っています。新型コロナウイルスによって世界経済が失速した2020年の銀需要は28,053トンまで減少していました。景気が回復し始めた2021年以降、銀の世界的需要は高まり続けています。

インフレ対策に貴金属を購入するのであれば、銀ETFも選択肢の一つとして考えられそうです。

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