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新興国通貨の基礎とメリット・デメリット

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新興国通貨の基礎とメリット・デメリット

新興国通貨の基礎とメリット・デメリット

FX取引として人気の高い新興国通貨の魅力

為替差益を狙うFX取引。
日々変動する為替相場の値動きを注視しながら、安い時に買って・高くなったら売る、高い時に売って・安くなったら買い戻す、という点では他の金融商品と同じです。一方、株式には配当や株主優待などのインセンティブがあるように、

FXにもスワップポイントがある

ことはご承知のとおり。スワップポイントの基礎知識については、▼FX取引の魅力 その1スワップでご紹介しておりますので、まずはそちらをご覧いただきたいのですが、分かりやすく言えば、取引する通貨ペア同士の金利差を反映した調整金のようなもの。金利差は両国の政策金利を基準に決定されますが、

高金利の国の通貨を買って低金利の国の通貨を売る

つまり、米ドル円のロングポジションなど、低金利な通貨のショートポジション(売り建玉)を取ることで一定の金利差が日々得られるというのが、FXの魅力のひとつであり、FXが人気の金融商品になった背景でもあります。

もちろん、円高が進むと見立てて「日本円を買って外貨を売る」という日本円をロングした状態であれば、逆にスワップポイントを日々支払う形になりますが、これは短期的に為替差益を狙った取引であり、多くの方が円を売って外貨を買うことが多いのが実情。

特に南アフリカやトルコ、メキシコのような

新興国は相対的に政策金利が高いため

得られる日々のスワップポイントも大きくなる傾向にあり、取引する通貨ペアとしても非常に人気が高まってきております。

でも、それなりにリスクはあるんでしょ?

もちろん、国の規模や政治的動向、通貨の信頼性などを踏まえると、当然米ドルのような流通量の多い通貨とくらべて不安要素などはありますので、しっかりとメリット・デメリットを理解したうえで取引するのが肝要であることは言うまでもありません。

今回は、そんな魅力的な新興国通貨の取引における基礎知識、メリット・デメリットなどにフォーカスし、スワップポイントの魅力はもちろんのこと、取引の注意点なども合わせて詳しくご紹介していきます。

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代表的な新興国通貨の種類と通貨の特徴

代表的な新興国通貨の種類と通貨の特徴

まずはじめに、高金利な新興国通貨と言われる代表的な通貨をご紹介します。
新興国通貨という括りでは、世界的に数多くの通貨が存在しますが、くりっく365で取り扱う主な新興国通貨は下記のとおりです。

≪南アフリカ・ランド(ZAR)≫
アフリカのなかでもナイジェリアに並んで経済大国と言われる南アフリカ(2020年現在)。
その南アフリカの通貨がランド(ZAR)で、対円での取引も活発に行われています。南アフリカ中央銀行(SARB)の政策金利は、2022年7月現在で5.50%。過去には12.0%前後だったこともあり、高金利な新興国通貨の代表と言っても過言ではありません。

南アフリカの主要産業は、農畜業のほか鉱物資源などに恵まれており、金やダイヤモンドなどの主要産出国でもあることから、コモディティ通貨としての側面もあります。南ア・ランドに限ったことではありませんが、為替市場全体のリスク許容度が高まり、リスク選好のムードが高まると相対的に買われやすく、逆にリスク回避のムードになると売られやすくなる傾向にあります。

≪メキシコ・ペソ(MXN)≫
中南米の主要国のひとつでもあるメキシコの通貨メキシコ・ペソ。
米国と隣接しているという地理的な面でも米国経済の影響を受けやすい一方、原油をはじめとする鉱物資源の大国でもあり、その多くを米国へ輸出しています。また、相対的に高めに設定されている政策金利も魅力のひとつで、米金融政策に足並みを揃えるように利上げ・利下げを行う傾向があるのも特徴です。

2022年6月末時点でのメキシコ中銀(BOM)が設定する政策金利は7.75%で、その高めに設定された政策金利がメキシコ・ペソの上昇要因となる一方、米国経済の景況感悪化や地政学リスクの高まり、利下げ観測などはメキシコ・ペソ安に直結します。メキシコ・ペソ/円の動向を掴むうえでは、ドル/メキシコペソ(USD/MXN)の値動きもしっかり把握しておく必要があります。

≪トルコ・リラ(TRY)≫
アジアとヨーロッパの中心に位置するトルコの通貨トルコ・リラ。
中東シリアと隣接していることもあり相対的に地政学リスクが高く、テロ発生等の報道に敏感に反応する通貨でもあります。トルコ中央銀行(CBRT)が設定する政策金利は、2022年6月末現在で14.0%と新興国ならではの高水準ではありますが、過去にはリラ安を食い止めるために一気に500bp(5.0%)の利上げを行ったり、逆に大幅な利下げを行ったりと、金融政策自体に不安定さがあることは否めません。

主要な産業は日本と同様製造業であり、自動車や鉄鋼などの産業が活発ではありますが、高いインフレ率や失業率など政策的な課題は山積みで、政治家の汚職などの政治不安なども通貨安の要因となることがあります。ただし、周辺諸国と比較して突出して高い政策金利はトルコ・リラ最大の魅力であり、大きなスワップポイントも人気の秘訣です。

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新興国通貨トレードのメリット・デメリット

新興国通貨トレードのメリット・デメリット

上記でもご紹介したように、新興国通貨の魅力はその高い政策金利であり、FX取引のなかでは

その高いスワップポイントが最大のメリット

となります。

ただし、各通貨の紹介部分でも触れましたように、米ドルなどの通貨と比較して流通量が少なく、また現地の情報などにも乏しいため、不意な価格変動が起こりやすく、テロなどの地政学リスクや政治不安など、

ネガティブな要素も多くある

という点に留意する必要があります。

いくら高金利でスワップポイントが大きかったとしても、為替変動による評価益・評価損の方がインパクトが大きいため、その値動きによってはロスカットのリスクも想定しておかなければなりません。これら通貨の値動きの荒さ(ボラタイル)を鑑みると、目先のスワップポイントを意識しすぎて、

ポジションを大きく取りすぎるのは禁物

取引口座の残高と使用する証拠金額とのバランスを十分に精査し、ある程度の為替変動があっても余裕のある範囲でポジションを取るのが、こうした新興国通貨の取引のポイントと言えるでしょう。

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※2022年7月時点での情報となります。

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