FTSE100って何?
FTSE100(フィツィー100)とは、イギリスのロンドン証券取引所(LSE)に上場する約2500銘柄のうち、時価総額上位100社で構成された加重平均型株価指数です。指数は1983年12月30日を基準日とし、その日の時価総額を1000GBPとして算出しています。現在の価格は7,000GBPほど(2022年10月時点)なので基準日と比べて7倍に成長しています。
指数の名前にあるFTSE(フィツィー)というのは、Financial Times Stock Exchangeの略です。
日経平均株価は日本経済新聞社が、ダウ・ジョーンズ工業株価平均はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出していますが、FTSE100の算出は現在、ロンドン証券取引所グループのFTSE Russell(ラッセル)がおこなっています。
ロンドン証券取引所は、イギリスを代表する証券取引所でその歴史は古く、設立は今から200年以上前の1801年とされています。
18世紀後半、イギリスで巻き起こった産業革命は、生産活動の中心を農業から工業に移し、急速な技術革新を引き起こしました。産業革命による工業化を可能にしたのは資本主義経済という産業構造があったからです。いち早く資本主義を確立させたイギリスは、後に大英帝国と言われるほどの大成長を遂げました。
今でこそ金融・経済の中心はアメリカのニューヨークのウォール街ですが、19世紀後半から第1次世界大戦までの間、シティ・オブ・ロンドン(ロンドンの中心部に位置する地域)が世界の金融・貿易・保険・情報の中心でした。シティ・オブ・ロンドンの歴史はとても古く、現在、観光名所として有名な王立取引所は、1567年(日本は戦国時代)に証券取引所として誕生しています。
ロンドン証券取引所の誕生秘話はちょっと変わっています。1760年ごろ、150名ほどの証券ブローカーが王立取引所から追い出されました。困った彼らは取引所近くの喫茶店で会員制クラブを結成し、株式の売買を行っていたそうです。その会員制クラブがロンドン証券取引所の起源。政府や王族主導で誕生したのではなく、証券ブローカーの集まりが取引所に発展するのは、自然発生的に資本主義を確立させたイギリスならではですね。
そんなロンドン証券取引所には、英国経済を代表する企業がいくつも上場していますが、FTSE100に採用されている100銘柄の時価総額は取引所全体の約85%を占めています。FTSE100に占めるウエートでは、シェル(9.35%)、アストラゼネカ(8.03%)、ユニリーバ(5.52%)、HSBC(5.24%)、BP(4.72%)が上位5社です(2022年10月7日時点)。この5社で全体の32.87%を占めています。
歴史と伝統を持つイギリス経済への投資をお考えの方は、FTSE100から初めてみてはいかがでしょうか。