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雇用統計-業種別の変化(6月)

2023年07月10日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

先週末発表されたアメリカ非農業部門雇用者数は、前月比20.9万人増と予想の22.9万人増を下回る結果でした。

非農業部門雇用者数

出典:米労働省

直近1年間の非農業部門雇用者数の変動をみてみると6月の数値が最も少ないものでした。2022年の後半は30万人台が続いていましたが、今年に入ってからは20万人台に減少しています。

米・失業率

出典:米労働省

6月の失業率は3.6%でした。失業率は昨年から続いている3.4-3.6%の間で落ち着いています。

非農業部門雇用者数と失業率だけでは状況の変化が分かりにくいので前回同様、業種別にみた雇用者数の変化を使って深堀りしてみたいと思います。

◆バックナンバー:雇用統計-業種別の変化(5月)
https://www.fujitomi.co.jp/staffblog/Employment-Statistics-Change-by-Sector/

5月は「製造」と「情報」の雇用者数が減少していましたが、今回はどうでしょうか。

6月の結果は次の通りでした。

業種別雇用者数

雇用者数 前月比
非農業全体 156,204 209
民間全体 133,494 149
鉱業と伐採 642 -1
建設 7,947 23
製造 12,989 7
卸売業 6,047 -4
小売業 15,539 -11
輸送と保管 6,730 -7
公共事業 556.6 -0
情報 3,095 0
金融 9,144 10
プロフェッショナルビジネスサービス 23,054 21
教育とヘルス 25,302 73
政府 22,710 60

出典:米労働省

5月に減少していた「製造」の雇用者数は7千人増加しましたが、前月と比べて減少した産業の数は5産業に増えてしまいました。「鉱業と伐採」「卸売業」「小売業」「輸送と保管」「公共事業」などの雇用者数が減少しています。特に「小売業」は1.1万人の雇用が失われました。

一時的な減少であれば問題ありませんが、アメリカでは雇用者数の10%が「小売業」に従事していますので、小売業の雇用者数減少はアメリカ経済全体の冷え込みに発展しかねません。

現在好調な産業とそうではない産業、景気に左右されやすい産業とそうではない産業、産業によって異なる特徴を持っています。
投資対象を分析する際、雇用者数はその産業の勢いを表していますので、実情を知る手段として活用できそうです。来月はどうなっているでしょうね。

今回は先月に引き続き産業別雇用者数について調べてみました。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
米労働省

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