（ＮＹ貴金属）
２９日のＮＹ金は、反発。ＮＹ金期近２月限は前週末比８．１ドル高の２０２５．４ドル、ＮＹ白金期近４月限は１７．０ドル高の９３８．３ドル、ＮＹ銀期近３月限は同３７．９セント高の２３２５．１セント。
週明けのＮＹ金は、地政学的リスクの高まりによって反発した。週末にシリア国境に近いヨルダン北東部に駐留する米軍が無人機による攻撃を受け、米兵の３名死亡と３４人が負傷した。パレスチナ自治区ガザでの軍事衝突以降、周辺地域での米兵の死者が初めて出たことによって、米国の報復が警戒されると中東情勢の悪化懸念が高まった。この地政学的リスクの高まりによって、週明けのＮＹ金は買いが先行して、２月限は一時２０３７．２ドルまで反発した。しかし、高値をつけてからは、３０日・３１日の米ＦＯＭＣ（連邦公開市場委員会）を控えた様子見ムードの中、為替のドル高・ユーロ安方向に動いた事で、ＮＹ金は２０１９ドル台まで上げ幅を縮小した。ただ、ＮＹ金の下振れは一時的な動きとなり、その後は為替がドル安・ユーロ高基調に転換すると、ＮＹ金は２０３４ドル台まで買い直された。
ＮＹ白金は、大幅続伸した。ＮＹ白金の４月限は、序盤に先週末の大幅上昇に対する上げ一服の展開から売りが先行すると、欧州取引時間帯に９１６．０ドルまで下落した。しかし、その後はＮＹ金の上昇に反応してＮＹ白金も買われる展開となり、為替がドル安・ユーロ高基調になると９４０．６ドルまで続伸した。ＮＹ白金の９４０ドル台は１月１２日以来の水準となった。

ＮＹ金２月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

ＮＹ白金４月限日足


※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

（ＷＴＩ原油・ＮＹ石油製品・北海ブレント）
２９日のＷＴＩ原油は、反落。ＷＴＩ原油期近３月限は前週末比１．２３ドル安の７６．７８ドル、北海ブレント原油期近３月限は同１．１５ドル安の８２．４０ドル。ＲＢＯＢガソリン２月限は同６．５６セント安の２２２．８５セント、ＮＹヒーティングオイル期近２月限は同０．９５セント安の２８３．３９セント。
週明けのＷＴＩ原油は、中国の景気先行き不安による石油需要の後退懸念が、圧迫要因となり反落した。ＷＴＩ原油の３月限は、序盤に中東の地政学的リスクによって７９.２９ドルまで急伸した。週末にシリア国境に近いヨルダン北東部に駐留する米軍が無人機による攻撃を受け、米兵の３名死亡と３４人が負傷した。これに対し米国の報復が警戒され、地政学的リスクが高まった。しかし、７９ドル台の動きは一時的となり、その後は中国景気の先行き不安によって、ＷＴＩ原油は７６．４１ドルまで崩れた。香港の高等法院（高裁）はこの日、経営再建中の中国恒大集団に対し、清算命令を出した。また、２８日には格付け大手フィッチ・レーティングスが２０２４年の中国の国内総生産（ＧＤＰ）が鈍化すると予想した。この中国景気の先行き不安が再び再燃すると、同国の石油需要の後退が警戒されＷＴＩ原油は売り込まれた。

ＷＴＩ原油期近３月限日足


※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

（ＣＢＯＴコーン）
２９日のシカゴコーンは、３営業日連続の下落。期近３月限は前週末比６．００セント安の４４０．２５セント。
週明けのシカゴコーンは、南米の豊作観測や需要の後退懸念によって続落した。シカゴコーンの３月限は、引き続きアルゼンチンの収穫見通しの引き上げによる豊作観測が圧迫要因となり、序盤から軟調地合いを継続した。その後は、中国景気の先行き懸念による穀物需要の後退を警戒した動きから４３７．５０セントまで売り込まれた。また、下落局面では原油価格の下落も売り材料となった。トウモロコシはエタノール燃料の原材料として使用されるため、原油価格の下落によるエタノール需要の後退が連想された。

シカゴコーン期近３月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

ツイッター：https://twitter.com/@tazawa_fujitomi