★欧州市場序盤の取引では、黒田日銀総裁の発言を手がかりにドルは上値を伸ばした。なお、欧州主要株価指数は軟調に推移した。黒田日銀総裁が緩和策の継続を強調したことや、米長期金利の上昇を手がかりに全般ドル買いが優勢となり、上値を伸ばした。欧州株が持ち直し、独DAXも0.3％安に下げ幅を縮小したことを背景に、リスク回避のドル高圧力は緩和されており、ドル/円も上昇が一服した。

米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回り、新規失業保険申請件数も予想を上回り古城情勢悪化が示唆されドル売りが優勢になった。NYダウの軟調推移を背景にリスク回避目的の売りが出たほか、米長期金利が2.96％台まで低下したことも相場の重しになった。低調な米経済指標やベイデン米大統領が新型コロナ検査で陽性となったと発表されたため米長期金利が低下したことにドル売りが継続した。米長期金利が2.90％台まで再び低下する中、徐々に売りにおされる展開となり、日中安値を更新した。

★欧米主要経済指標

・米・7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数：-12.3（予想：0.8、6月：-3.3）
・米・先週分新規失業保険申請件数：＋25.1万件（予想：24.0万件、前回：24.4万件）
・米・失業保険継続受給者数：138.4万人（予想：134.0万人、前回：133.3万人←133.1万人）
・米・6月景気先行指数：前月比-0.8％（予想：-0.6％、5月：-0.6％←-0.4％）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は137.27-138.87円のレンジ

・ECBは市場予想を上回る0.50％の利上げに踏み切る

・イタリアではマッタレッラ大統領がドラギ首相の辞表を受理

・発表された米経済指標が軒並み予想を下回る

・バイデン米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と伝わる

・米10年債利回りが2.91％台まで急低下でドル売りが散見

・VIX指数は23.88から23.11へ低下