★欧州市場序盤の取引では、独仏のPMIが予想比弱めの結果となりユーロ圏経済見通しが悪化したことを受け、欧州主要株価指数が全面安、欧州債利回りも急低下となる中、リスク回避による円買いの動きが再燃した。欧州市場で135.30円台に下げる場面もあったが、その後は底堅く、135円半ばを維持した。米長期金利が3.12％台を回復すると、ドル/円も下落幅を縮小した。

米新規失業保険申請件数が予想を上回ったほか、前週分も上方修正されて雇用情勢の悪化が示されたことで、米長期金利が一時3.08％台まで低下するとドル売りが優勢になった。6月米製造業・サービス部門・総合PMI速報値が軒並み予想を下回ったことを受けドル売りが強まった。米長期金利がさらに低下して一時3.0201％まで低下したこともドル売りを強めた。パウエル議長が質疑応答で『景気後退は必然とは思わない』と言及すると、債券利回りも下げ止まりドル買いが再燃した。ボウマン米FRB理事の『7月会合での0.75％利上げを支持』との発言も手掛かりにドル売りが一服した。大幅下落した反動で、緩やかながら買い戻しが継続した。ただ、135円大台を前に足踏みし、134.90円台で動きが鈍かった。

★欧米主要経済指標

・英・6月製造業PMI速報値：53.4（予想：53.6、5月：54.6）
・英・6月サービス業PMI速報値：53.4（予想：52.9、5月：53.4）
・英・6月総合PMI速報値：53.1（予想：52.4、5月：53.1）

・米・1-3月期経常収支：-2914億ドル（予想：-2750億ドル、10-12月期：-2248億ドル←-2179億ドル）
・米・先週分新規失業保険申請件数：22.9万件（予想：22.6万件、前回：23.1万件←22.9万件）
・米・失業保険継続受給者数：131.5万人（予想：132.0万人、前回：131万人←131.2万人）
・米・6月製造業PMI速報値：52.4（予想：56.0、5月：57.0）
・米・6月サービス業PMI速報値：51.6（予想：53.5、5月：53.4）
・米・6月総合PMI速報値：51.2（予想：52.8、5月：53.6）
・米6月カンザスシティ連銀製造業活動：12（予想10、5月23））

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は134.24-135.82円のレンジ

・6月ユーロ圏各国PMIが前月から急低下

・独政府が天然ガスを巡り『非常警報』を発令

・米経済指標が軒並み低調な内容

・VIX指数は28.95から29.05へ上昇