★欧州市場序盤の取引では、予想外のスイス中銀の15年ぶりの利上げを受け、スイスフランが急騰し、ドル・円は134円台全は出もみ合い相場となった。なお、欧州主要株価指数は全面安となった。ドル/スイスで下落となったことに連れドル/円も戻り売りに押される展開になった。米長期金利が3.38％台に上昇幅を拡大した。スイス中銀の予想外の利上げを受け、翌日の日銀政策会合発表に対する注目が高まり、円買い戻しの動きが進行した。その後、米長期金利が3.46％近辺に上昇幅を拡大したことを背景に、ドルの急落は一服した。欧米株安を背景にした円買い圧力が根強く戻りの鈍い展開になった。

米5月住宅着工件数と米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回る結果となり、米景気先行き不透明感に持ち高調整のドル売りが優勢になった。NY時間帯に入ると132円台半ばから後半でのもみ合い相場となった。NYダウは一時860ドル超下落したものの、為替相場の影響は限定的だった。米長期金利の上昇幅縮小や、翌日の日銀金融政策決定会合での思惑も浮上し、円高・ドル安を招いた。5月9日高値の131.35円がとりあえずのサポートとして意識されるとショートカバーの動きになり、132円台を回復した。一旦ショートカバーの動きになったものの、NY終盤にかけては値動き自体が徐々に鈍くなった。

★欧米主要経済指標

・米・5月住宅着工件数：154.9万戸（予想：169.3万戸、4月：181万戸←172.4万戸）
・米・5月住宅建設許可件数：169.5万戸（予想：177.8万戸、4月：182.3万戸）
・米・6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数：-3.3（予想：5.0、5月：2.6）
・米・先週分新規失業保険申請件数：22.9万件（予想：21.7万件、前回：23.2万件←22.9万件）
・米・失業保険継続受給者数：131.2万人（予想：130.4万人、前回：130.9万人←130.6万人）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は131.46-134.63円のレンジ

・スイス中銀が15年ぶりに予想外に政策金利を25bp引き上げ

・英中銀は市場予想通りに政策金利を25bp引き上げ

・一時3.491％まで上昇した米長期金利が3.30％台に低下

・欧米株やNYダウ先物が急落するとリスク回避の円買い優勢

・VIX指数は29.62から32.95へ上昇