★欧州市場序盤の取引では、財務省と日銀、金融庁の三者会合後、財務省の神田財務官が記者団に対し為替介入を念頭に『あらゆるものを含めて適切な対応をとる』と述べたことを受け、円買いの動きが加速し反落した。米長期金利が持ち直すに連れて、ドルが下げ幅を縮小した。134.00円近辺にドルが持ち直したが、同水準ではドル戻り売りに上値を抵抗されドルが再軟化した。米長期金利は3.03％近辺でもみ合い、NYダウ先物は80ドル安で軟調推移した。米国のCPIが市場予想を上回りインフレ上昇による金利上昇の圧力と、インフレ懸念によるNYダウ先物の大幅下落、それに伴うリスク回避の債券買いとの綱引きになった。

米長期金利の上昇が一服し、NYダウが781ドル安の大幅安となる中、ドルが小反落した。米金利上昇に伴う買いが入った半面、株安に伴うクロス円の下落に連れた売りが出て相場の上値を抑えた。米長期金利の大幅上昇に伴うドル買いの流れに沿ってじわりと下値を切り上げた。米長期金利は上昇傾向が継続され、NY市場の調整をこなしじり高になった。

★欧米主要経済指標

・米・5月消費者物価指数：前年比＋8.6％（予想：+8.3％、4月：+8.3％）
・米・5月消費者物価コア指数：前年比＋6.0％（予想：+5.9％、4月：+6.2％）
・米・5月消費者物価指数：前月比＋1.0％（予想：+0.7％、4月：+0.3％）
・米・5月消費者物価コア指数：前月比＋0.6％（予想：+0.5％、4月：+0.6％）
・米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値：50.2（予想：58.1、5月：58.4）
・米・6月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値：5.4％（5月：5.3％）
・米・6月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値：3.3％（5月：3.0％）
・米・5月財政収支：-662億ドル（予想：-1365億ドル、21年5月：-1319.53億ドル）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は133.34-134.48円のレンジ

・財務省と金融庁、日銀が情報交換会合後に声明を発表

・5月米消費者物価指数は約40年ぶりの伸びを記録

・米10年債利回りは一時3.1761％前後と5月9日以来の高水準

・インフレ懸念が強まりFRBが秋以降も金融引き締め観測強まる

・VIX指数は26.09から27.75へ上昇