★欧米市場序盤の取引では、5月米雇用統計の発表を控え、ドルは主要通貨に対して小幅な値動きとなった。なお、欧州株は前日比小幅高で推移した。欧州市場では、ロンドン休場で薄商いのなか円安の流れが持続しており、129.90円台で推移した。ユーロ圏の小売売上高は予想外に弱い内容となり、ユーロ/ドルが下落するとドルは小幅に押し上げられた。ただ、欧米株価指数はマイナスが目立ち、円売りは抑制された。米雇用統計の発表を控え、ドルが全般的に堅調に取引された。

米雇用統計は以上予想を上回る増加となり、初期反応はドル買いが優勢となった。一方で、失業率は予想より状の悪化となった。米長期金利が2.98％台まで上昇したことで、一時130.65円まで上値を伸ばしたが、平均時給が前月比+0.3％、前年比+5.2％に留まったことで上値は限定的になった。米5月ISM非製造業景況指数の予想以上の低下にも、130.40円台で下げ渋り、その後米長期金利が2.95％台に戻したこともありドル買いが再燃した。米金利上昇・ドル高基調を背景に130.98円まで買われた。NY午後に入ってドル買いはいったん後退130.80円台まで反落した。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・5月S&Pグローバルサービス業PMI改定値：56.1（予想：56.3）
・ユーロ圏・4月小売売上高：前月比-1.3％（予想：+0.1％、3月：+0.3％）

・米・5月非農業部門雇用者数：+39.0万人（予想：+31.8万人、4月：+43.6万人←+42.8万人）
・米・5月平均時給：前年比+5.2％（予想：+5.2％、4月：+5.5％）
・米・5月失業率：3.6％（予想：3.5％、4月：3.6％）
・米・5月ISM非製造業景況指数：55.9（予想：56.5、4月：57.1）
・米・5月サービス業PMI改定値：53.4（予想：53.5、速報値：53.5）
・米・5月総合PMI改定値：53.6（予想：53.8、速報値：53.8）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は129.84-130.98円のレンジ

・英国はエリザベス女王即位70周年の祝日で株式市場は休場

・ECBが金融引き締めを急ぐとの見方が強まる

・5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回るとドル買い

・5月米ISM非製造業指数は予想を下回ったが反応は限定的

・米長期金利の上昇を受けて高PERのハイテク株に売り

・VIX指数は27.72から74.79へわずかに上昇