★欧州市場序盤の取引では、米長期金利上昇にドルが支えられドルが一段高となり、一時129.50円台に続伸した。なお、欧州主要株価指数は高安まちまちとなった。欧州勢の参入後も株高を手掛かりにした円売りの流れが継続した。米長期金利が2.88％台まで上昇したことも支えとなり、一時129.54円まで上昇した。ただ、米長期金利の上昇が一服すると買いも落ち着いた。利益確定を狙ったドル売りが増えたことで、129円台前半で上げ渋った。全般的に材料が乏しく、動意の薄い一方で、NY原油先物が1バレル＝116ドル付近に強含む中、資源国通貨は対円で上昇し、ドル/円を小幅に押し上げた。

米長期金利が2.83％台に低下したことで、ドル買いも後退してドル売りが優先になった。5月米ISM製造業景気指数が56.1と予想の54.5を上回ったことが分かると米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になった。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁から『政策金利を中立水準にする必要がある』『年末までに2.50％に引き上げたい』と、政策金利の速やかに中立水準へ上昇すべきとの見解が伝わるとドル買いが継続した。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・5月製造業PMI改定値：54.6（予想：54.4）
・英・5月製造業PMI改定値：54.（予想：54.6）
・ユーロ圏・4月失業率：6.8％（予想：6.8％）

・米・5月ISM製造業景況指数：56.1（予想：54.5、4月：55.4）
・米・4月JOLT求人件数：1140.0万件（予想：1135.0万件、3月：1185.5万件←1154.9万件）
・米・4月建設支出：前月比+0.2％（予想：+0.5％、3月：+0.3％←+0.1％）
・米・5月製造業PMI改定値：57.0（予想：57.5、速報値：57.5）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は129.20-130.18のレンジ

・ECBが金融政策の正常化を加速するとの観測強まる

・米10年債利回りは一時2.9496％前後と5月18日以来の高値

・米FRBによる積極的な利上げへの警戒感が再び認識

・VIX指数は26.19から26.69へ低下