★欧州市場序盤の取引では、欧州株やNYダウ先物が軟調に推移したため、クロス円が全般売りに押されると、連れて130.30円台まで弱含んだ。ECBによる年内の利上げ観測が上昇したことを背景に、ドルがユーロに対して戻り売りに押されると130.40円付近でもみ合いとなった。米長期金利は高止まりしていたが、対欧州通貨で弱含むドルの動きに影響され130.20円台まで上値を切り下げた。

4月米雇用統計はほぼ予想に沿った結果に発表直後はドル売りで反応した。その後は米長期金利が上昇したことに伴ってドルは切り返した。米国株市場では、NYダウが410ドル安の大幅下落となり、リスク回避で円買い戻しの圧力がかかった。米長期金利が3.12％台から3.05％台まで急速に上昇幅を縮めるに連れて130.20円付近まで失速した。週末のNY午後に入り、市場参加者が少なくなる中で方向感を欠く展開になった。その後、米長期金利が3.12％付近まで上昇するとドルはじり高を継続した。NY終盤に差し掛かり、値動きこそ鈍いながらも130.60円付近までじり高が続いた。

★欧米主要経済指標

・英・4月建設業PMI：58.2（予想：58.0、3月：59.1）

・米・4月失業率：3.6％（予想：3.5％、3月：3.6％）
・米・4月非農業部門雇用者数：＋42.8万人（予想：+38.0万人、3月：＋42.8万人←+43.1万人）
・米・4月平均時給：前年比＋5.5％（予想：+5.5％、3月：+5.6％）
・米・3月消費者信用残高：524億ドル（2月377億ドル）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は130.15-69円のレンジ

・仏中銀総裁と独連銀総裁のタカ派発言でユーロ買い

・4月米雇用統計発表直後はドル売りで反応

・その後すぐに買い戻しが入りドル持ち直し

・米10年債利回りは一時3.1444％前後へ上昇

・米長期金利の上昇を受けて高PERのハイテク株売り

・VIX指数は31.20から30.19へ低下