★欧州市場朝方の取引では、全般的にドルが弱含みで、115.00円台維持に苦戦しドルが小幅軟化した。なお、欧州主要株価指数は高安まちまちで取引を開始した。米長期金利が1.86％台から1.839％近辺に上昇幅を縮小したことを受け、日中安値を更新した後、114.95円前後でもみ合いとなった。欧州株式市場ではほぼ全面安となり、リスク回避の円買いが優勢になった。NYダウ先物も小幅マイナス圏に転じる中、米長期金利が1.79％台に失速となったことを受けドルが下値を広げた。

ロシアの閣僚が対ロ制裁を強める欧米に対決姿勢を示し、先行き不透明感が深まったことで、有事のドル買いでドル/円は下げづらい展開になった。米長期金利が1.71％台と大幅低下となったことで、3月会合で0.25％の利上げも危ういとの声もあり、ドルの戻りは鈍かった。ドル売り一巡後は下値を切り上げた。2月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったこともドルの支援材料になった。リスク回避の動きで米債に買いが集まり、米長期金利は一時1.68％台まで低下したことでドル/円の上値は重かった。米国株が下げ幅を広げ、米長期金利が1.68％台へ再低下したことが重石になった。

★欧米主要経済指標

・独・2月製造業PMI改定値：58.4（予想：58.5、速報値：58.5）

・独・2月消費者物価指数速報値：前年比＋5.1％（予想：+5.1％、1月：+4.9％）
・ユーロ圏・2月製造業PMI改定値：58.2（予想：58.4、速報値：58.4）
・英・2月製造業PMI改定値：58.0（予想：57.3、速報値：57.3）
・英・1月住宅ローン承認件数(中銀)：7.40万件（予想：7.20万件、12月：7.12万件）

・米・2月ISM製造業景況指数：58.6（予想：58.0、1月：57.6）
・米・1月建設支出：前月比＋1.3％（予想：＋0.1％、12月：＋0.8％←+0.2％）
・米・1月製造業PMI改定値：57.3（予想：57.5、速報値：57.5）

★欧米市場のポイント

・ドル/円は相場は114.62-115.07円のレンジ

・ウクライナ情勢を巡る懸念が高まりリスク回避の動き

・ドイツ株式（DAX）が3.8％超の急落

・WTI原油先物が2014年6月以来となる1バレル＝106ドル突破

・ロシアとウクライナの代表団による協議は2日に開催

・2月米ISM製造業景気指数は58.6と市場予想を上回る

・VIX指数は30.15から33.32へ上昇