★欧州市場朝方の取引では、米FOMCの結果に市場の注目が集まる中、前日比横ばい圏でのもみ合い相場となった。米長期金利が1.528％近辺に低下となったことを受け、113.88円前後で推移した。欧州入り後も、米長期金利が1.51％台まで低下したことで、米金利に反応が敏感のドル/円の重石となり、114円台を回復出来なかった。欧州市場中盤の取引では、米FOMCの結果公表に市場の注目が集まる中、113.80円台を中心にもみ合い商状を継続した。

米10月ADP雇用統計が+57.1万人と市場予想+40万人を上回り米雇用改善期待にドル買いが優勢になった。米財務省は3・10・30年債の発行規模の縮小を発表したが、米長期金利が一時1.54％台まで上昇したことで、ドル買いが継続した。NY勢の本格参入後は、10月米ISM非製造業指数が市場予想より強い結果になると米長期金利の上昇とともにドル買いが先行した。良好な米経済指標や米長期金利の上昇を手掛かりとしたドル買いが一服した。米FOMCの結果公表を受けて、114円を挟んで乱高下する場面も見られたが、方向感は限定的だった。パウエル議長発言を受け早期利上げ観測が後退し、上値は限定的となった。

★欧米主要経済指標

・英・10月マークイットサービスPMI改定値：59.1（予想：58.0、速報値：58.0）
・ユーロ圏・9月失業率：7.4％（予想：7.4％、8月：7.5％）

・米・10月ADP雇用統計：+57.1万人（予想：+40.0万人、9月：+52.3万人←+56.8万人）
・米・10月サービス業PMI改定値：58.7（予想：58.2、速報値：58.2）
・米・10月総合PMI改定値：57.6（速報値：57.3）
・米・10月ISM非製造業景況指数：66.7（予想：62.0、9月：61.9）
・米・9月製造業受注：前月比＋0.2％（予想：+0.1％、8月：＋1.0％←+1.2％）
・米・9月耐久財受注改定値：前月比‐0.3％（予想：-0.4％、速報値：-0.4％）
・米・9月耐久財受注(輸送用機器除く)改定値：前月比＋0.5％（予想：+0.4％、速報値：+0.4％）
・米・9月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値：前月比＋1.4％（速報値：+1.4％）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は113.69-114.22円のレンジ

・ECB要人が当面低金利を維持する姿勢でユーロ売り

・良好な米経済指標を受け米長期金利上昇からドル買い

・米FOMCがテーパリングの開始を決定すると債券売り

・パウエル議長発言を受け早期利上げ観測は後退

・VIX指数は16.03から15.10へ低下