★欧州市場序盤の取引では、欧州株高を背景に、ドル安・円安の流れが持続した。なお、NYダウ先物は68ドル安に反落した。欧州市場で夕方に発表されたユーロ圏の経済指標が低調な内容となり、それまでのユーロ買いを巻き戻す展開になった。米長期金利が下げ渋りによりドル売りは後退し、小じっかりの展開になった。欧州市場で一時109.20円台に浮上したが、その後は上昇一服により109.10円台で推移した。米長期金利が1.18％から1.16％近辺まで低下したことがドルの重石となった。

米7月ADP雇用統計が予想を大幅に下回ったことでドル売りが優勢になった。米長期金利が低下幅を広げると共にドル売りが強まった。7月ISM非製造業指数は市場予想を上回る好結果となり、米長期金利の上昇と共にドルが堅調推移した。また、クラリダ米FRB副議長が2023年からの利上げを示唆したこともドル買いを誘った。その後は、米金利の上昇落ち着いたこともあり、109.67円を頭にドル買いが一服し109円半ばでもみ合いとなった。NY午後に入るとドル/円の動きは限られ、109円半ばでもみ合いとなった。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・6月小売売上高：前月比+1.5％（予想：+1.7％、5月：+4.1％←+4.6％）
・英・7月サービス業PMI改定値：59.6（予想：57.8、速報値：57.8）
・英・7月総合PMI改定値：59.2（予想：57.7、速報値：57.7）

・米・7月ADP雇用統計：＋33万人（予想：+69.0万人、6月：＋68万人←+69.2万人）
・米・7月サービス業PMI改定値：59.9（予想：59.8、速報値：59.8）
・米・7月総合PMI改定値：59.9（速報値：59.7）
・米・7月ISM非製造業景況指数：64.1（予想：60.5、6月：60.1）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は108.69-109.67円のレンジ

・7月ADP全米雇用報告は市場予想を大きく下回りドル売り

・7月米ISM非製造業指数が統計開始以来の最高値

・クラリダ米FRB副議長のタカ派発言で米長期金利上昇

・VIX指数は18.04から17.97へ低下