★欧米市場序盤の取引では、ポンド/ドルで下げ幅を広げたことに主導されてドル買いが優勢になり、129.30円台と前日比横ばい水準に持ち直しとなった。なお、主要株価指数は小幅反落、米長期金利は2.96％台に低下した。欧州市場では、欧州株式市場で指数は高安まちまち、NYダウ先物は弱含んだものの129円前半を維持した。対欧州通貨などで進んでいたドル買いが一服したことに伴い上値を切り下げた。

暫く129円台前半でのもみ合いとなっていたが、米長期金利が3.01％付近から2.97％台まで低下すると売りに押された。NYダウが280ドル超安まで下げ幅を拡大したことも重しとなった。その後も、金利低下に伴うドル売りやリスク回避の円買いが加速した。NYダウが一時550ドル超下落するなどリスク回避の円買いが継続した。小売りの決算がさえず、米国経済が景気後退入りするとの懸念が再燃した。米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いが強まった。ドルが対欧州通貨で強含んだ影響を受けて128.35円付近まで下値を切り上げた。NYダウが1000ドルを超す下げ幅を見せ、米長期金利も一時2.87％台まで低下すると127.95円まで売られたものの、一巡後はポジション調整のドル買いでやや持ち直した。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・4月消費者物価指数改定値：前年比+7.4％（予想：+7.5％、速報値：+7.5％）
・ユーロ圏・4月消費者物価コア指数改定値：前年比+3.5％（予想：+3.5％、速報値：+3.5％）

・米・4月住宅着工件数：172.4万戸（予想：175.6万戸、3月：172.8万戸←179.3万戸）
・米・4月住宅建設許可件数：181.9万戸（予想：181.4万戸、3月：187.0万戸）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は127.95-129.34円のレンジ

・ECBの大幅利上げ観測が高まる一方で高インフレによる景気減速懸念も

・米小売り大手の決算がさえない内容となり米国株売り優勢に

・一時3％台に乗せた米10年債利回りが2.87％台まで急低下

・欧米株式市場の大幅下落を背景にリスク回避の円買い活発化

・VIX指数は26.10から30.96へ上昇