★欧州市場序盤の取引では、欧州株が反発、NYダウ先物も390ドル高に上昇幅を広げたことを背景にリスク回避によるドル高・円高圧力は後退した。米長期金利が1.335％近辺で上げ渋る中、ドル/円の上昇も一服した。欧州市場では、中国恒大集団の経営問題に対する過度な懸念は後退し、株式市場は主要指数が軒並み強含みとなった。ただ、警戒感は根強くドル売り・円売りは限定的でドル/円は動き難い展開になった。欧州終盤の取引では、NY勢が本格参入を控え、やや円買い戻しの動きが優勢になった。米長期金利が一時1.32％台へ低下するのにともないドル売りが強まった。

『中国恒大集団は少なくとも2つの銀行に対して支払いが遅れたと』伝わるとドル売りが強まった。その後、米8月住宅着工件数が予想を上回ると109.45円付近まで上昇したが、戻り上値が重く再び円買いが強まった。しかし、NYダウが上げ幅を250ドル超高に拡大し、リスク回避の円買いは小休止となった。中国恒大集団のデフォルト懸念が根強い中、米国株相場が失速したことも相場の重石となり日通し安値を付けた。一時マイナス圏に沈んだNYダウが再び上昇に転じ、リスク回避の円買いが一服した。ただ、翌日に米FOMCの結果公表を控え様子見ムードが広がり109.20円台でこう着相場となった。NYダウは前日終値を挟んで神経質な動きになった。

★欧米主要経済指標

・米・8月住宅着工件数：161.5万戸（予想：155.0万戸、7月：155.4 万戸←153.4万戸）
・米・8月住宅建設許可件数：172.8万戸（予想：160.0万戸、7月：163.0万戸）
・米・4-6月期経常収支：-1903億ドル（予想：-1910億ドル、1-3月期：－1894億ドル←-1957億ドル）

★欧米市場のポイント

・ドル/円は109.15-70円のレンジ

・中国恒大集合を巡り中国政府が何らかの救済に動くとの期待

・中国恒大集団は少なくとも2つの銀行に支払い遅延との報道

・高く始まった米国株相場の失速でリスク回避の円買い

・21-22日開催の米FOMCへの警戒感もあり様子見ムードが広がる

・VIX指数は25.71から24.36へ低下