株式・FX・商品情報
イールドスプレッドで6月24日の米国株市場を先取り!
- 2020/06/24
- アジアタイム
★NY株式市場では、三指数が続伸する展開となったうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米長期金利の変動幅が大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが強まりやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は31.77から31.37へ低下した。ただ、VIX指数が30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。
NYダウは、200日SMAの26,305ドルと260日SMAの26,361ドルが引き続きレジスタンスとして意識され上値を抑える展開が続いている。一方で、5日SMAの26,050ドルと10日SMAの26,003ドルを上抜けしたことで、サポートラインとして意識されている。また、下値では25日SMAの25,792ドルと100日SMAの24,885ドルもサポートとして意識される。もみ合い相場が続いており、方向感を欠く展開となっている。ただ、上値も徐々に重くなっているため、サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性も高まってきている。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・6月22日:▲3.324%⇒6月23日:予想▲3.299%(前日比で縮小)
6月23日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から▲0.029%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.927%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.803%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.242%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.718%下回った。トランプ米大統領が中国との貿易交渉を巡る第1段階の合意について『全く変わっていない』とツイッターに投稿し、ナバロ大統領補佐官による『米中貿易協議は終わった』との発言を否定した。米中関係の悪化を巡る懸念が後退し買いが広がった。アップルが連日で上場来高値を更新するなどハイテク株中心に買いが目立った。また、ムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・6月22日:▲2.968%⇒6月23日予想▲2.947%(前日比で縮小)
S&P500が続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.770%から+0.177%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.922%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.055%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.232%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.552%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.275%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・6月22日:▲1.710%⇒6月23日予想▲1.687%(前日比で縮小)
NASDAQは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.812%から▲0.125%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.492%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.696%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.811%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.116%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.407%下回った。
NASDAQは史上最高値まで上昇している中、イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小してきている。NASDAQのイールドスプレッドも1.7%台割れまで低下していることから、割安感は払しょくしている。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、再び1万ポイントを回復しており、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、いつ下落調整しても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。
三指数のイールドスプレッドは、三指数は全て上昇する展開となり、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは三指数ともに縮小した。ムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。また、アップルが連日で上場来高値を更新するなどハイテク株中心に買いが目立った。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。