★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物と米長期金利の上昇が支えとなり、107円前半でこう着相場となった。欧州市場では、107円台前半でユーロ/ドルの値動きを睨んだもみ合い商状を継続した。引き続きドルはユーロなど主要通貨に対して底堅く、対円でも下値は堅かった。欧州株の全面高で、リスク選好的な円売りに振れやすい展開となった。その後、動きは鈍いものの、対ユーロでドル高に傾いた影響から107.40円付近までじり高となった。

新規失業保険申請件数が記録的な大幅増加となったことで、NYダウ先物が急失速し、欧州株もマイナス圏に沈んだことからリスク回避の円買いが優勢になった。小安く始まった米国株が持ち直したことも相場の下支え要因となり、ドルは徐々に買い戻しが優勢になった。トランプ大統領が『サウジアラビアとロシアが原油産出量1000万バレルの減産に踏み切ると予想し期待する』と発言すると原油高・米国株高となりドル買いが強まった。NYダウが170ドル高まで上げ幅を縮小すると、ドルは調整下落したが、米国株が底堅さを回復すると108円台を一時回復した。原油相場に振らされる産油国通貨が対円で軟調に転じると、107円後半で方向感なく上下に振れた。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・2月生産者物価指数：前年比-1.3％（予想：-0.8％、1月：-0.7％←-0.5％）

・米・先週分新規失業保険申請件数：664.8万件（予想：376.3万件、前回：330.7万件←328.3万件）
・米・失業保険継続受給者数：302.9万人（予想：494.1万人、前回：178.4万人←180.3万人）
・米・2月貿易収支：－399億ドル（予想：-400億ドル、1月：－455億ドル←-453億ドル）
・米・2月製造業受注：前月比0％（予想：+0.2％、1月：-0.5％）
・米・2月耐久財受注改定値：前月比＋1.2％（予想：+1.2％、速報値：+1.2％）
・米・2月耐久財受注(輸送用機除く)改定値：前月比－0.6％（予想：-0.6％、速報値：-0.6％）
・米・2月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値：前月比－0.8％（予想：-0.8％、速報値：-0.7％）

★欧米イベント

・ドル/円相場は106.98-108.09円のレンジ

・低調な独GDP予測が嫌気されユーロ売り

・トランプ米大統領の原油に関するコメントを好感

・サウジアラビアがOPECプラスに緊急会合期待

・新規失業保険申請件数が664万8000件と過去最高

・VIX指数は57.06から50.91へ低下