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強い米国経済で 米ドル/円は買われたが・・・・ (ドル/円 5分足)
- 2018/08/30
- アジアタイム
(今週は、米蔵の代役を山口が務めます。)
【米ドル/円 5分足チャート】
※チャートはフジトミトレーダー365FX
米ドル/円のロンドンタイム以降の5分足チャートです。
29日の米ドル/円は前日終値の111.195に比べ0.48高い111.675で引けました。東京タイム、ロンドンタイムに小動きだった米ドル/円は昨日21時半に発表された米2QGDPの改定値が前期比年率4.2%増と前回の速報値同4.1%増から上方修正、市場予想の4.0%増よりも強い結果でだったことから、買われる展開になりました。
昨日の記事でお伝えのとおり、今回発表された米2QGDPの前期比年率4.2%増という数値はポジティブサプライズということです。
その後、23時頃にバルニエ欧州委員会主席交渉官が
「EUは英国と将来の関係について11月に声明を出すことを検討」
「我々は他の国とは違い英国にパートナーシップを提供する用意がある」
などと述べたことで、ポンドやユーロに対して米ドルや日本円が売られましたが、米株式市場が上昇したことなどもあり、円売り圧力の方が強く米ドル/円は111.80台まで上昇。その後は111.60から111.80のレンジでの推移となりました。
【各通貨の強弱感】
※東京金融取引所のデータを元にフジトミ作成
昨日の各通貨の強弱感は上記のとおりです。昨日はソフトBrexitの要人発言を受け、英ポンド、ユーロが強く、日本円が弱いといったところでした。
新興国通貨においては、メキシコペソが引き続き強く、トルコリラは依然として弱い状況にあります。対円通貨で考えると、英ポンド/円や加ドル/円の買い、又は、トルコリラ/円の売りのパフォーマンスが良かったということがわかります。
【本日の主要な経済指標】
10:30 7月豪住宅建設許可件数
16:55 8月独雇用統計
18:00 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)
18:00 8月ユーロ圏経済信頼感指数
21:00 8月独消費者物価指数(速報値)
21:30 4-6月期カナダGDP
21:30 7月米個人消費支出
21:30 7月米個人所得
21:30 7月米PCEコアデフレータ
21:30 米週間新規失業保険申請件数
本日は、21時半に多くの経済指標が集中しており、特に以下2つの経済指標の結果とこの時間帯の値動きに注意が必要です。
1つは、PCEコアデフレータです。
米国の金融政策はFOMCで決定されますが、米国の法律で、FOMCは物価と雇用の安定を計ることが責務(デュアル・マンデート=2つの責務)であるとしています。
米国の物価関連の指標として、マーケットが注目しているのは翌月15日前後に発表されるCPI(消費者物価指数)ですが、実際にFOMCで物価関連指標として分析されているは、本日発表されるPCEコアデフレータ(翌月下旬)となります。
例えば、FEDのインフレターゲットや、半期に一度議会に提出する報告書もCPIではなくPCEコアデフレータが物価関連指標として利用されています。ただし、上述のとおり、速報性の高いCPI程注目度は高くないという印象があります。
また、雇用関連指標で週間新規失業保険申請件数は毎週発表される指標ですが、比較的注目度が高いです。
【本日のポイント】
米株式市場が上昇しており、リスクオン相場となっています。米ドル/円は昨日は上昇しましたが、特にNYタイムは「米ドルが買われた」のではなく、ユーロや英ポンドに対して、「米ドルよりも日本円が売られた」という状況になっています。
また、トルコ市場は戦勝記念日で休場で、流動性低下しやすいため注意が必要です。