米国株式市場は高安マチマチ。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比0.03％上昇して2562.10で終え、NYダウは5.44ドル（0.02％）上昇の23163.04ドルで取引を終了した。ナスダック総合指数は0.28％の下落で6605.07。通信のベライゾン・コミュニケーションズと保険のトラベラーズが上昇して、２銘柄でNYダウを25ドルあまり押し上げた。一方で、原油先物価格の下落が嫌気されエネルギー株が軟調に推移した。また、カタルーニャ懸念が台頭する中、新製品「ｉＰｈｏｎｅ８」の販売低迷を受け、減産を迫られそうと伝わったアップルは2.4％安で引けて、相場の重荷となった。経済指標では先週の失業保険申請件数が市場の予想を下回ったものの、フィラデルフィア連銀景況指数は市場予想を上回った。
　NY為替市場でドル円相場は１ﾄﾞﾙ＝112円50～60銭と、同日の東京為替市場比17銭円高・ドル安の水準で終えた。米ＦＲＢの次期議長人事で、パウエルＦＲＢ理事が有力だと米政治サイトが報じたことがきっかけで、ＦＲＢの利上げペースは緩やかなものにとどまるとの観測が市場に広がった。米金利が低下し、日米の金利差縮小を意識した円買いが観測された。東京為替相場でも、スペイン・カタルーニャ自治州の独立問題など欧州の政治リスクや北朝鮮問題への警戒が意識されそうだ。
　本日の日経平均は、14営業日続伸が期待される中、弱含みの展開となりそうだ。円安基調一服や高値警戒感からの利益確定売りが上値を押さえ、一方で前場の東京株式市場が下落となれば、後場に日銀のETF買いが期待される。上値の重い展開が想定される中、為替相場を睨みながらの展開が想定される。

【買い材料】

・米ダウとＳ＆Ｐ最高値、ＦＲＢ議長人事巡る報道で
・NYダウ上昇（23163.04、+5.44）
・恐怖指数VIXは10.05、前日比低下
・衆院選情勢、自公優勢でアベノミクス加速期待
・日銀、大規模緩和を維持
・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・政策関連株堅調
・好業績やテーマ株など物色意欲強い

【売り材料】

・ナスダックは下落（6605.07、-19.15）
・欧州株式市場反落、カタルーニャ巡り緊迫高まる
・ロンドン株式市場反落、ユニリーバ売られる
・英国経済への疑念強まる、雇用大幅増の一方で賃金低迷＝中銀理事
・NY為替－ドル円はFRB人事報道が重し
・NY原油先物－反落　需給の見通しさえず
・CME225先物は大阪取引所比で下落（21335、-135）
・米政権の財政政策に対する不透明感
・トルコの対米強硬姿勢
・北朝鮮地政学リスク

【その他注目点】

・欧州連合（ＥＵ）首脳会議（ブリュッセル、最終日）
・アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）財務相会合（ベトナム・ホイアン、21日まで）

・米債券市場上昇　株価調整やFRB議長人事が材料
・欧州債反発　カタルーニャ情勢や英経済に懸念
・NY金先物反発　ドル安が支援（1290.0、+7.0）

・米新規失業保険申請件数 22.2万件〔予想 24.0万件〕（前回発表値 24.3万件）
・米10月フィラデルフィア連銀製造業指数 +27.9〔予想 +22.0〕（前回発表値 +23.8）
・米9月景気先行指数（前月比）-0.2％〔予想 +0.1％〕（前回発表値 +0.4％）

・ＦＲＢ議長人事、トランプ氏はパウエル理事指名に傾く＝ポリティコ
・米空母が日本海で韓国軍と合同演習、北朝鮮に圧力
・油価50ドル超は「適切」＝プーチン大統領
・スペイン政府、カタルーニャ州の自治権停止手続き進める方針

《スケジュール》

10:00　　銅電線出荷統計(9月)　　　　
10:10　　国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と5年超10年以下)(日本銀行）
15:35　　黒田東彦日銀総裁、あいさつ

15:00　　9月独生産者物価指数
17:00　　8月ユーロ圏経常収支（季節調整済み）
17:30　　ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
21:30　　9月カナダ消費者物価指数
21:30　　8月カナダ小売売上高
23:00　　9月米中古住宅販売件数
21日03:00　　メスター米クリーブランド連銀総裁、講演

☆場況はTwitterをご参考にしていただければ幸いです。https://twitter.com/fujitomi_8740