米株式市場は小反落。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比0.16％安の2550.93で終了し、NYダウは31.88ドル（0.13％）下落し22841.01ドルで取引を終えた。新規材料難の中、決算発表など個別の材料を手掛かりとした売買が中心だった。ＪＰモルガン・チェースやシティグループが2017年７～９月期決算を発表し、市場予想を上回る増収増益だったものの、トレーディング収益が落ち込みなどが懸念されて売られ、指数の重しとなった。米長期金利の低下もあり、ゴールドマン・サックスなどの金融株も売られ指数を下押しした。また、原油安が嫌気されエネルギー株が下落し、ＡＴ＆Ｔが７～９月（第３四半期）のテレビサービス契約者の大幅減少を明らかにしたことから、通信サービスセクターが軟調推移となった。
　本日は、寄りで株価指数オプション10月物の特別清算指数（ＳＱ）の算出がある。ＳＱ値が2万1000円を上回れば、1996年7月（２万1461円41銭）以来21年３カ月ぶりの水準となる。
　今日の日経平均は、週末や米株下落もあり上値の重い展開か。８営業日で600円（2.9％）上昇しており、利益確定売りが出やすい地合いでもある。騰落レシオ（25日移動平均）が昨日時点で137％と、５月30日以来４カ月半ぶりの水準に上昇している。一方で、前日にファーストリテイリングが、2018年８月期の連結営業利益（国際会計基準）が前期比13％増の2000億円と発表した。日経平均株価に寄与度が高い銘柄だけに注目が集まる。

【買い材料】

・日経平均は1996年12月以来の高値水準
・欧州株式市場、独DAX小幅高
・ロンドン株式市場反発、ポンド安が追い風
・ファーストリテ、18年8月期は2桁増収増益　海外けん引で最高益へ
・CME225先物は大阪取引所比で上昇（20980、+30）
・日銀、大規模緩和を維持
・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・政策関連株堅調
・好業績やテーマ株など物色意欲強い
・IMF、世界成長率引き上げ、日本も上方修正

【売り材料】

・米国株式市場下落、ＪＰモルガンやシティ決算受け銀行株に売り
・NYダウ下落（22841.01、-31.88）
・ナスダック下落（6591.51、-12.04）
・NY原油先物－反落、在庫結果で売り買い交錯（50.60、-0.72）
・恐怖指数VIXは9.91、前日比上昇
・米大統領弾劾への警戒感
・米政権の財政政策に対する不透明感
・トルコの対米強硬姿勢
・北朝鮮地政学リスク

【その他注目点】

・20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議（ワシントン、最終日）
・国際通貨基金（ＩＭＦ）・世銀年次総会（ワシントン、15日まで）

・NY為替、ブレグジット交渉でポンドが大きく上下
・米債券市場続伸、緩やかな利上げペースは長期間続くか
・欧州債　独債は反発、英債はほぼ変わらず
・NY金先物－反発も、1300ドル大台を前に足踏み

・米9月生産者物価指数（前月比）+0.4％〔予想 +0.4％〕（前回発表値 +0.2％）
・米9月生産者物価指数・コア（前月比）+0.4％〔予想 +0.2％〕（前回発表値 +0.1％）
・米新規失業保険申請件数 24.3万件〔予想 25.1万件〕（前回発表値 26.0万件）

・北朝鮮の核脅威、現時点で対処可能＝米大統領首席補佐官
・米ＦＲＢ、12月に利上げ決定する公算大きい　ボストン連銀総裁
・ＥＣＢ総裁、低金利政策を維持する姿勢あらためて表明
・ポンド下落、ＥＵ交渉官のブレグジット協議「行き詰まり」発言で

《スケジュール》

08:50　　対外対内証券売買契約等の状況（週次・報告機関ベース）
08:50　　9月マネーストックＭ２
09:30　　都市戦略シンポジウム　

09:00　　7－9月期シンガポール国内総生産（ＧＤＰ）速報値
09:00　　シンガポール金融通貨庁（ＭＡＳ）、金融政策発表
未定　　 9月中国貿易収支
15:00　　9月独消費者物価指数（ＣＰＩ）改定値
16:15　　9月スイス生産者輸入価格
18:30　　メルシュ欧州中央銀行（ＥＣＢ）専務理事、講演
19:45　　バンク・オブ・アメリカ（ＢＯＡ）第3四半期決算
21:00　　ウェルズ・ファーゴ第3四半期決算
21:30　　9月米ＣＰＩ
　 エネルギーと食品を除くコア指数
21:30　　9月米小売売上高
21:30　　ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
23:00　　10月米消費者態度指数
23:00　　8月米企業在庫
23:15　　コンスタンシオＥＣＢ副総裁、講演
23:25　　エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
14日00:30　　カプラン米ダラス連銀総裁、講演

☆場況はTwitterをご参考にしていただければ幸いです。https://twitter.com/fujitomi_8740