米国株式市場は下落。米上院が医療保険制度改革（オバマケア）代替法案の採決を先送りしたことで、トランプ米大統領の政策懸念が台頭した。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比0.8％安の2419.38で取引を終了し、NYダウは98.89ドル（0.46％）下げて21310.66で取引を終えた。ナスダック総合指数は1.6％（100.526）の下落となった。6月の消費者信頼感指数は市場の予想を上回った。注目されたイエレンFRB議長による発言「金融危機が再びわれわれの時代に起きるとは想定していない」は、市場では特に材料視されなかった。
　NY為替市場では、ユーロが対ドルで10カ月ぶりの高値となった。ドラギECB総裁が大規模緩和を微調整する可能性を示唆したことや、オバマケア代替法案の採決延期を決めたことが材料視された。ドル円は１カ月ぶり高値の112.46円まで上昇した。
　ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物８月限は前日比86セント高の1バレル＝44.24ドルで取引を終了。対ユーロでのドル安や需給引き締まり観測などで続伸となった。
　本日の日経平均は、米株下落が重荷だが円安基調を好感し強含む展開か。今日は6月・12月期銘柄の権利落ち日となる。配当落ち分の26.12円をどう埋めてくるか注目される。また、機関投資家などは配当金の受け取りを前提に再投資する必要があることに期待したい。

【買い材料】

・原油先物が約2％高、ドル安・ショートカバーで＝ＮＹ市場（44.24、+0.86）
・ユーロ10カ月ぶり高値、ＥＣＢ総裁発言などで＝ＮＹ市場
・ドル円（112円20-25銭）
・米金融規制緩和策への期待
・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・好業績やテーマ株など物色意欲強い
・ゲーム株など個人投資家の物色意欲強い

【売り材料】

・米国株式市場は下落、オバマケア代替法案の採決先送り嫌気
・NYダウは下落（21310.66、-98.89）
・ＩＭＦ、米成長見通しを下方修正＝年次審査報告
・ロンドン株式市場＝反落、製薬株が重し
・欧州株式市場＝反落、ECB緩和策後退も思惑　公益事業と自動車株売られる
・CME225先物は大阪取引所比で下落（20145、-5）
・恐怖指数VIXは11.06、前日比上昇
・身代金要求ウイルス、世界各地のサーバーで被害
・加計学園問題などで、内閣支持急落
・米大統領弾劾への警戒感
・北朝鮮地政学リスク
・トランプ政権、政策運営に不透明感
・中東主要国がカタールとの国交断絶を発表

【その他注目点】

・夏季ダボス会議（中国・大連、29日まで）

・米債券市場－反落、欧州債の急落につれる
・欧州債－急落、ECB総裁の発言で
・NY金先物－小反発、ドル安が支え

・米4月S&P/ケースシラー住宅価格指数（前年比）+5.67％〔予想+5.90％〕（前回発表値+5.89％）
・米6月消費者信頼感指数　118.9〔予想 116.0〕（前回発表値 117.9）
・米6月リッチモンド連銀製造業指数　+7（前回発表値 +1）

・米大統領顧問スカラムッチ氏、輸出入銀の首席戦略責任者に指名
・米仏首脳が電話会談　シリアの化学兵器使用巡り共通の対応で一致
・ドル相場、現時点で大きな懸案ではない＝米フィラデルフィア連銀総裁
・米ＦＲＢ、インフレ低迷なら利上げ計画再考する必要＝フィラデルフィア連銀総裁
・英中銀、銀行の自己資本積み増し要請　2回で合計114億ポンド
・ＥＵ、グーグルに制裁金３千億円
・中国A株の指数採用で中期的に3000億米ドル超の資金流入する可能性－MSCI会長
・東芝半導体売却、28日までの日米韓連合との正式契約は断念＝関係筋
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《スケジュール》

10:00　　アルミ出荷統計(5月)　　

06:30　　カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
15:00　　5月独輸入物価指数
15:00　　6月英ネーションワイド住宅価格指数
15:45　　6月仏消費者信頼感指数
16:30　　ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
17:00　　5月ユーロ圏マネーサプライＭ３
20:00　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
22:30　　ポロズ･カナダ銀行（中央銀行、ＢＯＣ）総裁、ドラギ欧州中央銀行（ＥＣＢ）総裁、パネルディスカッションに参加
23:00　　5月米住宅販売保留指数
23:30　　ＥＩＡ週間在庫統計
29日02:00　　米財務省、7年債（280億ドル）入札

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