北朝鮮は21日、弾道ミサイル「北極星２型」を試射した。金正恩朝鮮労働党委員長による核開発プログラムへの固執が地政学的リスクを高めている。ティラーソン米国務長官は「ＦＯＸニュース・サンデー」で、北朝鮮によるミサイル試射について「失望している」、「憂慮している」などと発言。北朝鮮が「核兵器開発を継続する道は安全保障や繁栄への道ではないとのメッセージを理解すると期待する」と述べた。国連安全保障理事会は、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて23日に緊急会合を開くことを決めた。
　また、ワシントンポスト紙は週末に、ロシアゲート問題に関連して、｢米捜査当局がホワイトハウス関係者を重要参考人として捜査している｣と報じた。米国市場では、米金利低下とともにﾄﾞﾙは下落となった。
　今週の東京株式市場は波乱含みの展開か。今週は米国市場では多くの経済指標が発表され、5月開催のFOMC議事要旨公表、OPEC総会、G7シチリアサミット、そして国連安全保障理事会緊急会合などがある。OPEC総会は原油価格の動向に大きな影響を及ぼす可能性も想定される。好調な米経済指標で6月利上げ濃厚、産油国の協調減産継続、トランプスキャンダルや地政学的リスク沈静化となれば、リスク・オンムードが強まる展開となり、逆の動きとなれば、リスク・オフムードが加速する展開も警戒される。
　本日の日経平均は円高基調への警戒感はあるが原油高や米国株式市場の上昇を好感して強含む展開か。一方で、「ロシアゲート」や北朝鮮問題が重荷となる。
　東証１部の予想ＰＥＲ（株価収益率）は先週15倍台前半まで低下となった。米国株は19倍で割安感から海外勢の買いも期待出来る。

【買い材料】

・米国株式市場－続伸　S&P500の全11業種が上昇
・NYダウ上昇（20804.84、+141.82）
・欧州株式市場－反発、米政権懸念の売り一服や原油高で
・NY原油先物－続伸、減産延長期待やドル安で（50.33、+0.98）
・CME225先物は大阪取引所比で上昇（19685、+85）
・恐怖指数VIXは12.04、前日比低下
・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・サウジ、ソフトバンクGの10兆円ファンド本格始動
・好業績やテーマ株など物色意欲強い

【売り材料】

・北朝鮮が再び弾道ミサイル、2月の中距離弾と同型の可能性
・北朝鮮地政学リスク
・トランプ政権、政策運営に不透明感
・米国のドル高是正構想継続
・世界各国で過去最大規模のサイバー攻撃発生

【その他注目点】

・カナダ（ビクトリア女王誕生日）、休場

・NY為替－ドル円111円前半、欧州通貨は一段高
・米債券市場－わずかに下落、米株の上昇で
・欧州債－反落、欧米株が上昇するなどリスクオフ一服
・NY金先物－ドル安で反発も、欧米株高で上値重い

・ユーロ圏5月消費者信頼感・速報値 -3.3〔予想 -3.0〕（前回発表値 -3.6）

・ロシア疑惑　捜査当局はホワイトハウス高官に関心－米紙
・トランプ米大統領、サウジと1100億ドルの武器売却で合意
・解任のコミー前ＦＢＩ長官、議会証言へ
・イラン大統領選、現職のロウハニ師が勝利　開放路線継続へ
・ソフトバンクＧが10兆円ファンド設立、ＩＴ分野の成長後押しへ

《スケジュール》

08:50　　4月貿易統計
14:00　　3月景気動向指数改定値
16:00　　コンビニエンスストア売上高(4月)　

08:01　　5月ライトムーブ英住宅価格
23:00　　ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
23:30　　カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
ユーロ圏財務相会合（ブリュッセル）

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