米国株式市場は下落。ナスダック指数はかろうじて小幅高（+0.23％）で終了した。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比0.17％安の2338.17で取引を終え、NYダウは118.79ドル（0.57％）下げて20404.49ドルで取引を終了した。決算発表で売上高が予想を下回ったIBMの下落や原油価格の急落を受けてエネルギーセクターが大幅安となり、指数の重しとなった。ＩＢＭは4.9％の大幅下落。第１・四半期の売上高が５四半期ぶりに市場予想を下回ったことが嫌気された。米原油先物相場は、米国内のガソリン在庫の増加などを背景に約４％下落した。Ｓ＆Ｐエネルギー株指数は1.4％の下落となった。モルガン・スタンレーが2.0％高と堅調に推移した。四半期決算が大幅な増益となったことが好感され、前日に失望を誘った同業ゴールドマン・サックスの決算の影響を和らげる格好となった。
　ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物５月限は前日比1.97ドル（3.76％）安い１バレル＝50.44ドルで取引を終了。米エネルギー情報局（ＥＩＡ）の週間統計で、ガソリン在庫が２月以降で初めて増加となり、原油生産が2015年８月以降で最高の水準に達したことが嫌気された。
　市場の関心は、北朝鮮の地政学的リスクを意識する中、23日の１回目の投票が実施される仏大統領選に向かっている。勝負の行方は５月７日の決選投票に持ち越されるとの見方が多い模様だ。結果が判明するまではリスクオンムードとはなりそうにない雰囲気だ。本日の日経平均は引き続き為替相場を睨みながらの展開と想定する。本日20日は事業法人の決済が集まりやすい５・10日で、10時前の中値決済に向けて国内輸入企業などからの円売り・ドル買いが膨らむとの見方がある。今週に入り、生保や年金などの買いが観測されていることも心強い。

【買い材料】

・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・米国株式市場－ナスダックは反発（5863.03、+13.56）
・中国の17年経済成長率予測を0.1ポイント引き上げ6.6％に－IMF

【売り材料】

・NYダウ・Ｓ＆Ｐ下落、原油安でエネルギー株に売り　ＩＢＭ急落
・NYダウ下落（20404.49、-118.79）
・米IBM 4.92％安の大幅下落　1Q決算は売上高が5四半期ぶりに市場予想を下回る
・NY原油先物－続落、米国ガソリン在庫9週間ぶりに積み増し（50.44、-1.97）
・ロンドン株式市場＝続落、ポンド高が重し
・CME225先物は大阪取引所比で下落（18390、-20）
・恐怖指数VIXは14.93、前日比上昇
・トランプ政権、政策運営に不透明感
・北朝鮮地政学リスク
・ギリシャ、債務危機再燃
・フランス大統領選挙への不透明感

【その他注目点】

○20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議（ワシントン、21日まで）　

・米財務省2年、5年、7年債入札条件

・米債券市場－反落、昨日の年初来最低レベルから調整へ
・NY金先物－反落、ドル高、株式市場堅調で利食いが入る
・欧州債－反発、独債との仏債の利回りの開きは縮小

・米エネルギー省（EIA）週間石油在庫　 2017/4/14 時点
原油 -103.4万バレル（前週 -216.6万バレル）
ガソリン +154.2万バレル（前週 -297.3万バレル）
中間留分（含む暖房油）-195.5万バレル（前週 -215.3万バレル）
原油受け渡し地点オクラホマ州クッシング原油在庫
-77.8万バレル（前週 +27.6万バレル）

・米国、北朝鮮の「テロ支援国家」再指定を検討＝国務長官
・北朝鮮問題の解決に軍事的選択肢残すべき＝ライアン米下院議長
・ライアン米下院議長、税制改革日程後ずれの可能性を指摘
・米利上げ、海外経済への影響は「管理可能」＝ＦＲＢ副議長
・米ＦＲＢ、保有債券縮小に近く着手必要＝ボストン連銀総裁
・ＥＣＢ緩和解除、まだすべきでない＝仏中銀総裁
・英議会が6月総選挙承認、メイ首相「ＥＵ離脱成功へ結束を」
・英スコットランド首相、選挙勝利なら独立住民投票「阻止できず」
・中銀は非伝統的手段を今後も活用へ、責務拡大も＝ＥＣＢ論文
・中国で大量失業のリスク高まる、政策対応必要＝国務院
・日豪、対北朝鮮へ連携強化で一致
・金融機関の競争激化に警鐘、経営不安定化のリスク＝日銀
・ムニューシン米財務長官＝FT紙報道
「大統領がドル押し下げ狙うことは絶対にない」
「 米国の利益になるようなに為替操作することは、為替操作とはしない」

《スケジュール》

08:50　　3月貿易統計
08:50　　対外対内証券売買契約等の状況（週次・報告機関ベース）
14:30　　百貨店売上高(全国・東京地区3月)　　　　
16:00　　コンビニエンスストア売上高(3月)
未定　 　4月月例経済報告
　
07:45　　1－3月期ニュージーランド（ＮＺ）消費者物価指数
15:00　　3月独生産者物価指数
18:00　　2月ユーロ圏建設支出
21:00　　パウエル米連邦準備理事会（ＦＲＢ）理事、講演
21:30　　前週分の米新規失業保険申請件数
21:30　　4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
23:00　　4月ユーロ圏消費者信頼感指数
23:00　　3月米景気先行指標総合指数
21日00:30　　カーニー・イングランド銀行（ＢＯＥ）総裁、講演
21日05:00　　日米財務相会談

場況はTwitterをご参考にしていただければ幸いです。https://twitter.com/fujitomi_8740