米国株式市場は上昇。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は1.1％上昇の2163.26で取引を終え、NYダウは256.95ドル（1.4％）高い18589.69ドルで終えた。ナスダック総合指数は1.1％の上昇となった。業種別では金融が堅調に推移。薬剤価格の規制を推進していたクリントン氏が敗北したことで特殊医薬品やバイオテクノロジーが上昇となりセクターの上昇を導いた。トランプ氏の勝利でインフラ支出の拡大が期待され、建設・メンテ関連などが大幅高となった他、国防予算の拡大期待から防衛関連も上昇。ハイテク株は高安まちまちとなったがセクターでは小幅安。電気通信サービスは軟調推移となった。しかしながら、トランプ氏は１０月下旬の演説で、当選したら来年１月２０日の大統領就任日に「ＴＰＰ脱退を表明する」と強調していた。米国がカナダ、メキシコと結んでいるＮ ＡＦＴＡの再交渉にも触れた。トランプ氏は「今後１０年間で合計２５００万人の雇用が生まれる」と意気込みを表明していたが、経済が拡大しなければ税収が減り、財政赤字が膨らむ結果を導く。赤字の穴埋めに国債を増発するようなこととなれば長期金利が上昇し、景気が失速しかねない。
　ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物12月限は前日比29セント（0.64％）高い１バレル＝45.27ドルで取引を終了した。トランプ氏当選でリスク資産に売りが優勢となったが、政策を見極めたいとの動きが金融市場全般に広がった。
　前日のOSE225先物のナイトセッションは、ＯＳＥ日中取引比1000円高の17250円で終え、売買高は10万1234枚だった。ＣＭＥ225先物(円建て)の清算値はＯＳＥ比965円高の17215円、売買高は22万8450枚で大いに賑わった。
　本日の日経平均は、トランプ勝利で米国株式市場では恩恵を受ける銀行・ヘルスケア・インフラ関連中心に大幅高となったことで買いが先行して始まりそうだ。前日の欧米株式市場をみる限りでは、トランプ・ショックはいったん織り込まれた模様だ。また、イエレンFRB議長の更迭もなさそうなことから買い安心感も漂いそうだ。
　寄り前には内閣府が９月の機械受注統計と10～12月期見通しを発表する。財務省は週間の対外・対内証券売買契約を発表し、日銀が10月31日～11月１日開催分の金融政策決定会合の主な意見を公表。

【買い材料】

・トランプ氏の「大成長路線」での恩恵期待
・米議会ねじれ解消
・米国株式市場－ダウ257ドル高　時間外の急落から反発
・ＮＹダウ大幅上昇（18589.69、+256.95）
・ナスダック上昇（5251.07、+57.58）
・欧州株式市場－堅調、トランプ・ショックは一時的
・NY原油先物－堅調、トランプ・ショック後の株高に連動（45.27、+0.29）
・NY為替－円安・ドル高、トランプ・ショックは幻に　1ドル105円55-65銭
・CME225先物は大阪取引所比で上昇（17215、+965）
・恐怖指数VIXは14.38、前日比低下
・日銀のETF買入れによる需給下支え

【売り材料】

・為替急変リスク
・TPP協定は事実上困難に
・ユーロ圏17年成長率見通し下方修正

【その他注目点】

・インドのモディ首相が来日(12日まで)

・30年国債入札
・米30年国債入札

・カジノ法案審議入り、公明が容認

・米債券市場－大幅続落、トランプ氏勝利やねじれ解消で
・欧州債－小幅続落、米大統領選による逃避買いは一時的
・NY金先物－失速、トランプ・ショックは幻に
・CRB指数－小幅続伸　銅、天然ガスが上昇　トウモロコシ、小麦が下落

・米エネルギー省（EIA）週間石油在庫　 2016/11/4 時点
　原油　+243.2万バレル（前週 +1442.0万バレル）
　ガソリン　-284.1万バレル（前週 -220.7万バレル）
　中間留分（含む暖房油）-194.8万バレル（前週 -182.8万バレル）
　原油受け渡し地点オクラホマ州クッシング原油在庫
　+2.8万バレル（前週 +8.9万バレル）

・トランプ米次期大統領
「すべての国民のための大統領になる」
「今は米国民が結束の時期」
「高速道路やインフラの再建目指す」
「成長を加速させ、強い経済を実現」
・メキシコ外務相
「数日間のうちにトランプ氏らと対話を行う」

《スケジュール》

08:50　　金融政策決定会合における主な意見(10月31、11月1日分、日本銀行)
08:50　　機械受注(9月)　　
08:50　　マネーストック(10月、日本銀行)　　　　
11:00　　都心オフィス空室率(10月)　　　　3.7
12:00　　スポットLNG価格調査(10月)　　　　
　
20:00　　ブ・小売売上高(9月)　　
22:30　　米・新規失業保険申請件数(先週)　　　
23:45　　米・消費者信頼感(先週)　　　　
28:00　　米・財政収支(10月)　　　

《決算発表》

テルモ、パイオニア、雪印メグ、日清食ＨＤ、千代建、東洋紡、アマダＨＤ、ニプロ、ＡＯＫＩ　ＨＤ、東急、近鉄ＧＨＤ、長谷工、あいＨＤ、ＳＵＭＣＯ、ネクソン、エア・ウォーター、テルモ、沢井製薬、関西ペ、リゾートトラス、トレンド、楽天、タカラバイオ、昭和シェル、太平洋セメ、荏原、大日印、ふくおか、リログループ、日テレＨＤ、サンドラッグ、宝ＨＤ、リクルートＨＤなど

《米決算発表》

メーシーズ、コールズ、ラルフローレン、エヌビディア、ウォルト・ディズニーなど

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