★先週末のNY市場でトルコリラ/円は6月24日の英国のEU離脱決定時に付けた安値32.69円を下抜け一時32.43円まで下落した。トルコの政局不安を受けて、投資家による資本引き揚げが加速した模様。

トルコでは、3日にクルド人を主な支持基盤とする国民民主主義と（HDP)の共同党首2人と、少なくとも9人の議員拘束。続いて、非合法化されている反対政府武装組織『クルド労働党』（PKK)が絡んでいると見られる爆発も4日に発生した。トルコは今年7月にクーデター未遂事件が発生して以来、非常事態宣言下にある。また、これを機に、ソーシャルメディアを大規模に遮断するなど、エルドアン大統領の独裁色が強まっていることも資金の逃避を加速させた。

一旦戻り基調となっているが、25日線（青線）の33.635円、75日線（緑線）の34.058円が上値抵抗ラインとなりやすい。ストキャスティクス・スロー（パラメータ：14、3、3、20、80）は、売られ過ぎ域から％Kが％Dとわずかにゴールデンクロスし始めている。ただ、不透明感の強い同国にあっては戻り売り目線で見ていきたい。