米国株式市場は下落。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前営業日比0.3％下落して2267.89で取引を終了し、NYダウは58.96ドル（0.3％）安い19826.77ドルで取引を終えた。トランプ次期大統領が国境税に関するコメントが材料視された。結果、金融株や輸送株など中心に米大統領選後に上昇していた銘柄に売りが先行し、主要株価指数の上値を圧迫させた。また、トランプ次期米大統領は米紙ワシントン・ポストのインタビューで、薬価をめぐり製薬会社を標的にすると表明したことで、バイオテクノロジー株や医薬品株に売りが先行した。
　 NY為替市場ではドルが下落。昨日の東京市場同様に、トランプ氏のコメントに市場はネガティブ反応を示した。トランプ氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、ドルは既に「強過ぎる」とし、中国が自国通貨を押し下げていることが一因だと述べた。
　 欧州市場では、主要指数が軒並み続落となった。STOXXヨーロッパ600指数は0.15％安で終えた。注目された英株式市場のFT100は1.46％安となり、昨年6月27日以来の下落率を記録した。英国のメイ首相が17日、EUからの離脱を表明する演説を行い、EUの単一市場からの離脱を表明した。しかしながら、最終的な合意は英議会で採決にかけるとのことで、想定外のハードブレグジットではないとの見方も台頭し、FT100の下落率は昨年6月23日の国民投票の翌日24日に記録した3.14％安ほどではなかった。
　 ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物２月限は前営業日比11セント高い１バレル＝52.48ドルで取引を終了した。サウジアラビアなど主要産油国による減産合意履行への期待から買いが優勢となった。また、ドルが主要通貨に対して下げたことも支援材料となった。
　本日の日経平均は下値模索の展開となりそうだ。チャート上でもデットクロスが形成された。日銀のETF買い期待が下値を支えると想定されるが、為替次第といったところか。米国で2016年12月のＣＰＩや鉱工業生産、米地区連銀経済報告が公表され、シティグループやゴールドマン・サックスなどが16年10～12月期決算を発表する。イエレン米連邦準備理事会議長の講演に市場の注目が集まる。

【買い材料】

・トランプ政権の「大成長路線」での恩恵期待　
・日銀のETF買入れによる需給下支え
・NY原油先物－反発、サウジは減産合意厳守の方針示す（52.48、+0.11）
・米ウォルマート・ストアーズ　上昇　今年新たに米国内で1万人を雇用すると発表
・バイエルとモンサント、米投資拡大発表　トランプ氏との会談受け
・米ＧＭ、国内に10億ドル追加投資へ　メキシコから部品生産を移管
・ドイツ銀行 米司法省とMBS不正販売で和解　72億ドルの和解金支払いを受け入れ

【売り材料】

・米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・米イエレンFRB議長がパネル討論会に出席
・米ミネアポリス連銀総裁が講演

・米国株式市場－下落　金融株などトランプ・ラリー銘柄に売り先行
・ＮＹダウは下落（19826.77、-58.96）
・ナスダックは下落（5538.73、-35.39）
・トランプ政権への先行き不透明感
・欧州株式市場－続落、英FT100はポンド急伸も嫌気
・欧州の政治情勢への懸念
・NY為替－ドルは売り継続　1ドル112円65-75銭
・CME225先物は大阪取引所比で下落（18720、-10）
・恐怖指数VIXは11.86、前日比上昇

【その他注目点】

・米債券市場－米10年債利回りは昨年11月末以来の低水準
・欧州債－小幅続伸も、英首相演説受けて警戒ムード後退
・NY金先物－大幅反発、ドル安・株安で
・CRB指数－反発　　銀、大豆が上昇　　銅、ニッケルが下落

・メイ英首相
「英国が変革の時期から力強く浮上することを望む」
「裕福で人材を引きつけるような国にしたい」
「EUと部分的な加盟関係であるべきではない」
「EUはパートナーであり、同盟関係を結ぶ」
「英国はEUを離脱する、英国にとってベストな合意をみつける」
「最終的な合意案は議会で採決にかける」
「EUからの移民のコントロールを取り戻す」
「EU単一市場の加盟は計画していない」
「単一市場への可能な限りのアクセスを模索」
「包括的な自由貿易協定をみつける」

・ドイツ銀、投資銀行部門などの幹部賞与90％削減へ＝独誌
・英ＢＡＴ、米レイノルズを494億ドルで買収へ　世界最大の上場たばこ会社誕生
・中国主席、国際化や自由貿易の重要性強調　トランプ氏暗にけん制

《スケジュール》
　
08:00　　ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
16:00　　12月独消費者物価指数（ＣＰＩ）改定値
17:00　　12月南アフリカＣＰＩ
18:30　　12月英雇用統計
18:30　　9－11月英失業率
19:00　　11月ユーロ圏建設支出
19:00　　12月ユーロ圏消費者物価指数
20:00　　11月南アフリカ小売売上高
21:00　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
21:30　　ゴールドマン・サックス第4四半期決算
22:00　　シティ・グループ第4四半期決算
22:30　　12月米ＣＰＩ
    　     エネルギーと食品を除くコア指数
23:00　　カプラン米ダラス連銀総裁、講演
23:15　　12月米鉱工業生産指数
　　　　　 設備稼働率
24:00　　カナダ銀行政策金利発表
24:00　　1月全米ホームビルダー協会住宅市場指数
01:00　　カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
01:15　　ポロズＢＯＣ総裁、記者会見
04:00　　米地区連銀経済報告（ベージュブック）
05:00　　イエレン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長、講演
06:00　　11月対米証券投資動向

世界経済フォーラム年次総会（ダボス、20日まで）

《決算発表》

ユナイテッドUなど

《米決算発表》

USバンコープ、シティグループ、ネットフリックス、ゴールドマン・サックス・グループ、ノーザン・トラストなど

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