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グローバル製造業PMIとエコノミックサプライズ指数から市場を見る!

  • 2018/05/31
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • 欧州タイム

 

J.P.モルガン.グローバル製造業PMI(季節調整済)

PMI(購買担当者景気指数)とは、景気の方向性を示す経済指標で速報性の高さから金融市場で注目されている。企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものである。50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大、逆に50を下回る状態が続くと景気減速を示す。

 

グローバル製造業PMIは、先進国や新興国を含めた世界全体の景気度合いを計る指標として注目されている。

 

昨年17年12月31日54.5がピークとなり景気拡大の勢いが鈍化し、今年に入ってから指数は低下し続けていた。しかし、3月31日の53.3をボトムとして一旦は53.5まで回復基調となった。現在は景気成長の節目である50を上回っており、景気拡大は継続している。ただし、米長期金利上昇やドル高により、一部の新興国の通貨安や金利上昇から景気減速感が出始めている。また、スペインやイタリアでは政局の先行き不透明感が強まり世界的な株安などから先行き消費が減速する可能性も高まってきた。さらに、米国との貿易問題も世界景気の足かせとなりやすい。そのため、今後グローバル製造業PMIが再び低下してくると、世界的な景気減速感からFRBの追加利上げペースの鈍化観測から米長期金利が低下傾向となり、日米金利差の縮小から円高・株安となりやすい。

 

 

エコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)

シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。雇用や生産などの各種経済指標が事前の市場予想と比べてどうだったかを指数化したもので、実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。

この指数は市場の期待値に対して上回るものが多いのか、それとも下回るものが多いのかを示す指数である。市場の期待値に対して上回る指標が多ければ当然に株価や通貨が高くなりやすい。一方で、市場の期待値を下回り続けると、市場参加者が景気の先行き懸念が生じることから、遅行して株価や通貨などが下落しやすい。

 

先進10カ国と新興国のびっくり指数は、下落基調となっており経済指標などが市場予想を下回る結果が増えている。特に新興国のびっくり指数は資源価格が上昇したことなどから、今年に入ってから市場予想を上回る結果となっていたが、3月15日がピークとなり急減速している。そして、下げ止まる兆しが出ていない。また、先進国10カ国のびっくり指数も昨年24日をピークとして下落基調が続いていることで、市場予想を下回る経済指標が続いている。日米欧のびっくり指数では、好調だった米国の指数が下落基調となってきており、プラス圏は維持しているものの市場予想を下回る指標が多くなっている。欧州のびっくり指数は、ユーロ高が一服したことから下落一辺倒ではなくなったものの、それでも下落基調が継続している。スペインやイタリアの先行き政局不安が浮上してきていることから、今後も下落基調が続く可能性が高い。ただ、ユーロ安が今後も続くようなら、ドイツやオランダなどの景況感が改善し、指数を押し上げる可能性が出てくる。日本のびっくり指数は、若干改善方向にあることを示している。ただ、世界的にびっくり指数が低下傾向にあることから、日本だけが改善するのは無理がある。また、日米貿易交渉で日本にとって不利な条件を突きつけられ、再び円高基調となるようなら再び低下傾向が強まる可能性がある。

 

 

びっくり指数が低下傾向となってから時間をおいて下落基調となっている。最初は市場予想を下回る結果となっても、景気の内容的には高水準を維持しているが、徐々に景気減速の兆候が出始めることで、遅行して市場が反応する。びっくり指数が回復基調となっても、最初は疑心暗鬼で反応しないが徐々に景気の回復感が出始めた頃から市場が反応し始める。現在は世界的に下落基調となっていることから、株価の上値が重い展開が続きそうだ。

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