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イールドスプレッドで8月11日の米国株市場を先取り!

  • 2020/08/11
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数はまちまちの展開となった一方で、米長期金利は、トランプ米大統領が追加の経済対策を大統領令で発動したことを受けて、米景気減速懸念が和らぐとして相対的に安全資産とされる米国債に売り(金利は上昇)が出た。このところ、米長期金利の変動幅が上下に大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割安感はなくなっている。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りがでやすい。また、米国の追加財政策が先行き『財政の崖』問題につながりやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は22.21から22.13へ低下した。 VIX指数が20台前半まで低下してきたが、20を上回っていることからリスク回避の動きは継続している。ただ、一時のVIX指数が高水準からは、だいぶ低下してきている。そのため、VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。

 

NYダウは、200日SMAの26,239ドルや260日SMAの26,303ドルから上方に放れる展開となっており、上昇基調は継続している。また、ロウソク足は上向きの5日SMAの27,328ドルと10日SMAの26,897ドルの上方に位置していることで、短期的にも上昇基調が継続している。6月8日の戻り高値となる27,580ドルも上抜けしてきたことで、心理的な節目となる28,000ドルも視野に入ってきている。200日SMAと260日SMAを明確に下抜けするまでは強い相場が継続しそうである。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.329%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月7日:▲3.273%⇒8月10日:予想▲3.210%(前日比で縮小:割高)

 

8月10日のNYダウが7日続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.329%から▲0.119%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.016%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.892%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.331%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.807%下回った。中国の良好な経済指標や米国の雇用関連指標が予想を上回ったため世界経済の回復期待が強まった。また、トランプ米大統領が8日に失業給付の増額を含む追加の経済対策を大統領令で発動すると、米景気懸念が和らぎ買いが広がった。業績が景気に左右されやすい景気敏感株に買いが集まり、指数は一時370ドル超上げた。 中国政府が米上院議員など11人を対象に報復制裁を発表したが、トランプ政権の閣僚を除外した為、米中対立深刻化懸念も緩和した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月7日:▲2.977%⇒8月10日予想▲2.953%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から+0.180%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.916%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.049%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.226%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.546%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.269%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.811%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月7日:▲1.776%⇒8月10日予想▲1.771%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続落した一方で、米長期金利が上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.811%から▲0.040%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.408%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.612%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.727%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.032%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.323%下回った。

 

NASDAQは、トランプ大統領による中国のアプリTikTokやWeChatを禁止する大統領令の影響でハイテク株は引き続き軟調だった。連日史上最高値を更新して、イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小していた。そのため、利益確定売りが出やす地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは1.7%台後半で推移しており、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。ただ、ハイテク関連株の業績の予想が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスのワクチンや治療薬などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、新型コロナウイルスの感染第2波の拡大や米中関係の悪化懸念も高まっていることで、引き続き下落調整する展開になっても不思議ではない。三指数の中では割高感も出てきている。

 

三指数のイールドスプレッドは、全て縮小する展開となった。米長期金利が上昇したことで、三指数はまちまちの展開となったものの、イールドスプレッドは縮小した。中国の良好な経済指標や米国の雇用関連指標が予想を上回ったため世界経済の回復期待が強まった。一方で、トランプ大統領による中国のアプリTikTokやWeChatを禁止する大統領令の影響でハイテク株は引き続き軟調だった。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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