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OPECの月報(Oil Market Report 2018年11月)を読んで

2018年11月14日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

昨日のコラムで「トランプ大統領は原油価格を下げたいようです。」なんて記事を書きましたが、昨晩公表されたOPEC月報(Oil Market Repot)で発表された2019年予想は、世界経済の減速や生産量の増加により供給過剰になる可能性があるとの内容でした。

これを受けて原油価格が大きく下げています。

日本時間11月13日朝から東京原油の推移はご覧のとおりです。

東京原油-5分足

昨日の日中48,000円台で推移していましたが、OEPE月報で発表された内容を受けて日付が変わったころから価格が下がり始め、夜間立会終了時点では45,440円まで下落してしまいました。1リッターあたりでは約3円の値下がりです。価格変動はトランプ大統領の思惑どおりですね。

 

この日OPECが公表したOPEC月報によると、2019年の世界経済成長率は鈍化するとの見通しでした。

OPECが公表した世界の経済成長率はご覧のとおりです。

世界の経済成長見通し

2018年 2019年
世界全体 3.7 3.5
OECD 2.4 2
USA 2.9 2.6
日本 1.1 1.1
ユーロ圏 1.9 1.7
イギリス 1.3 1.4
中国 6.5 6.1
インド 7.5 7.2
ブラジル 1.1 1.8
ロシア 1.6 1.7

※出典:OPEC-Oil Market Report 2018.11

2018年と比べ2019年の経済成長率は世界全体が3.5でした。主要国のほとんどが2018年成長率よりも2019年成長率の方が鈍化するとの見通しになっています。

先月発表された数値と比較すると2019年の世界全体の成長率は3.6%でしたので0.1ポイント悪化するとの見方になっています。

国・カテゴリ別では、OECD、ユーロ圏、中国、インドなどが前回予測よりも悪化してしまいました。

悪化予測の世界経済が原油の需要にどの程度の影響を与えるか。それをまとめたものが次のものです。

 

世界の原油需要

2018年 2019年
世界全体 98.79 100.08
OECD 47.86 48.12
非OECD 50.93 51.96
USA 20.68 20.92
ヨーロッパ 14.35 14.37
アジア太平洋(日本・韓国・オーストラリア) 8.06 8.03
中国 12.71 13.05
インド 4.75 4.94
ラテンアメリカ(ブラジル・アルゼンチン) 6.53 6.58

※出典:OPEC-Oil Market Report 2018.11

 

2019年の世界需要は100.08mb/dですので2018年よりも1.29mb/d増加していますが、先月時点での予測では100.15mb/dでしたので0.07mb/d悪化してしまいました。

2018年と2019年を比較した際、1.29mb/d増加していますが、この増加分をけん引しているのが非OECDの国々です。OECD加盟国の増加分は0.26mb/dですが、非OECDの国々の合計は1.03mb/dです。需要の割合でもOECDの2019年予想が48.12bm/dなのに対して、非OECDは51.96ですので世界の半分以上が非OECDによるものです。

ちなみに我々日本があるアジア太平洋エリアの2019年予想は2018年より0.03mb/d少ない8.03mb/dになるとの予測です。

 

最後に供給量です。

非OPECの原油供給量

2018年 2019年
非OPEC 59.77 61.89
OECD 27.8 29.43
アメリカ 16.29 17.67
ロシア 11.19 11.19
ラテンアメリカ 5.22 5.58
ヨーロッパ 3.85 3.86
中国 3.98 4.02

※出典:OPEC-Oil Market Report 2018.11

非OPECの2019年生産量は61.89mb/dと2018年よりも2.12mb/d増加する見込みです。その増加分のほとんどはアメリカで2018年よりも1.38mb/d多い17.67mb/dまで成長する見込みとなっています。

2018年と比べ世界の需要は1.29mb/dの増加ですが、供給量は非OPEC加盟国だけで2.12mb/d増加していますので、OPECが相当量の減産をおこなわない限り供給過剰な状況になってしまいそうです。

OPEC総会が開催されるのは12月5日からですが、トランプ大統領の牽制をかわし、協調減産することはできるでしょうか。

しばらくの間、原油価格は荒い展開が続きそうです。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・OPEC
https://www.opec.org/opec_web/en/

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