フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

コラム

マーケット情報

フィリップス曲線を検証してみる

2023年02月06日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

金曜日発表された米・雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数が51.7万人増、失業率が3.4%でした。事前予想は、非農業部門雇用者数が19.0万人の増加、失業率が3.6%とみられていまいしたので、労働市場は市場予想をはるかに上回る好調な結果でした。

Bloombergの記事によると失業率が3.4%まで低下したのは、53年ぶりの出来事です。

米・労働省ホームページで公表されている1948年以降の失業率データをグラフにしたものが次のものです。

米・失業率

出典:米労働省

現在の3.4%水準まで低下したのは1951年から1953年に掛けてと、1968年から1969年に掛けての2期間しありません。現在の労働市場は50年に一度レベルのとても良い状況だと言えます。

週末の米国株式市場は、好調な労働市場が利上げの長期化を招くのではないかとの懸念から、3指数とも下落して取引を終えています。

失業率と物価の関係性については、マクロ経済学のフィリップス曲線が有名です。フィリップス曲線はY軸にインフレ率、X軸に失業率を取ったグラフで、失業率が低下すると物価が上昇するとされています。

実際にそうなるのか1948年から2022年までのデータを曲線にしたものが次のグラフです。
フィリップス曲線(米国・1948年-2022年)

右下がりのグラフに見えますか???
私には見えませんでした。

目視で規則性が見つけられないので、相関係数を計ったところ、両者の相関は「相関性なし」の0.054でした。数値上、失業率が低下したとしても、そのことが物価変動に与える影響ははっきりしないということになりますね。

今回、好調な労働市場を投資家はネガティブに捉えましたが、データをみると良く解らないことを恐れていたと言えます。

好調な労働市場を素直に歓迎した方が、運用成績が伴いやすいのかもしれませんね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


新規口座開設キャンペーン開催中

コンサルタント取引限定キャンペーン1

コンサルタント取引限定キャンペーン2

一覧へ戻る

各種資料請求・WEBセミナー