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どうして今回の利上げをしたのか?を考える

2023年07月27日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

早朝、FOMCが発表したFRB政策金利は、事前予想どおり0.25%の引き上げが実施され、下限5.25-上限5.50%となりました。

アメリカの政策金利の変動をグラフにすると次のようになります。

米政策金利

今回の利上げで2006年~2007年に記録した上限5.25%を上回り、2000年に記録した高金利に迫る水準まで上昇しています。

このグラフにアメリカの消費者物価指数を重ねて表示させたものが次のグラフです。

米政策金利と消費者物価指数(CPI)

オレンジ色の線が政策金利の上限を表し、青色の線が消費者物価指数(CPI)を表しています。

消費者物価指数はアメリカの経済動向に左右されるため、人間が直接操作することはできない数字ですが、政策金利はFOMCによって決められていますので、人間が話し合って決めた数字です。過去の結果をみると、青色で示した物価上昇が急速な局面で政策金利が引き上げられ、物価上昇が鈍化した局面では政策金利も引き下げられてきたことが解りますね。

今回、消費者物価指数が3.0%まで鈍化しているのにどうして利上げを実施したのでしょうか。

声明によるとインフレ率を2%に戻すとの発言もありますので、それと比べると現在の3.0%はまだ高いとも言えます。

2009年以降、政策金利が0%に近い水準にいることが多かったので、私達の感覚は0%を当たり前のように感じてしまいますが、それ以前をみてみると消費者物価よりも政策金利の方が高い期間がほとんどで、5%台が何年も続いている時代もありました。

経済用語に「流動性の罠」という言葉があります。これは、金融緩和によって金利が一定水準まで低下するとそれ以上の金融緩和をおこなっても景気刺激策にならない状態のことを指しています。政策金利を0%近い水準まで下げると、実施できる金融緩和策が無くなってしまい、流動性の罠に陥る危険性がある訳です。

今回、FOMCは利上げをおこないましたが、これは人々の感覚を5%台が当たりまえの価値観に落ち着かせることで、将来実施する金融緩和策の余力を生み出そうとしているのかもしれません。

利上げが発表された後もアメリカ株式市場に大きな混乱はなく、落ち着いた値動きをしていました。この先も強いアメリカ経済が期待できそうですね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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