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物価と賃金

2023年05月22日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

5月19日、総務省から発表された消費者物価指数は総合指数(CPI)が前年比プラス3.5%、生鮮食料を除いた総合指数(コアCPI)が前年比プラス3.4%、さらにエネルギーを除いた総合指数(コアコアCPI)が前年比プラス4.1%でした。

毎月の変動をグラフにすると次のようになります。

全国消費者物価指数(前年同月比)

出典:総務省統計局

緑色で示したCPIや青色で示したコアCPIは今年の2月に一度下落しましたが、黄色で示したコアコアCPIは緩むことなく上昇を続けています。

コアコアCPIというのは生鮮食料とエネルギーを除いた物価指数です。
生鮮食料は、天候不順や不漁など短期的な需給バランスの乱れによって価格変動しやすく、エネルギーは輸入依存度が高いため、外部要因の影響を大きく受けてしまいます。これらの価格は比較的変動が激しいため、これらを除いたコアコアCPIを用いた方が国内の物価変動をより正確に把握できると考えられています。

コアコアCPIの変動に注目すると日本の物価は上昇し続けていると言えます。

先週末、経団連より大手企業の春闘(春季労使交渉)の第一回集計が発表され、回答があった92社の2023年平均は妥結額が13,110円、アップ率では3.91%でした。昨年の妥結額は7,794円、アップ率が2.35%でしたので、昨年と比較して大幅な賃上げが実施されたことになります。働く人からすると明るい話題ですが、冷静に考えるとそう喜んでいられません。

それは、賃金アップ率(3.91%)よりもコアコアCPI(4.1%)の上昇率の方が高かったからです。名目賃金がプラスであっても、実質賃金ではマイナスになってしまいます。

この先、賃金アップ率が物価上昇率を上回る日はやってくるのでしょうか。まだまだ家計には厳しい状況が続きそうですね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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