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物流とITが厳しい、8月の雇用統計

2023.09.04

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

8月のアメリカの雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数は18.7万人増と低めの数字でしたが、予想されていた増加数は16.5万人でしたので、事前予想よりも高いという結果になりました。

米・非農業部門雇用者数

出典:米・労働省

過去の変動と比べると、ここ最近の増加数が明らかに少ないことがよく解ります。特に6月以降の3ヶ月間は20万人増未満で留まっており、労働市場に変化が生じてきていると考えられます。

米・失業率

出典:米・労働省

2022年3月以降3.4%から3.7%の間で推移していましたが、8月の失業率は3.8%とそれまでのレンジを上抜けてしまいました。もちろん一時的な変動という可能性もありますので9月以降どうなって行くのか注意が必要です。

産業別の変化では、先月同様、明暗がはっきり分かれました。

産業別雇用者数

8月 前月比
産業 雇用者数 前月比
非農業全体 156,419 187
民間全体 133,761 179
鉱業と伐採 642 -2
建設 7,993 22
製造 12,997 16
卸売業 6,070 5
小売業 15,545 6
輸送と保管 6,675 -34
公共事業 557 3
情報 3,051 -15
金融 9,158 4
プロフェッショナルビジネスサービス 23,015 19
民間教育および医療サービス 25,520 102
政府 22,658 8

出典:米・労働省

全体の数字は前月と比べ18.7万人増加していますが、雇用者数が減少してしまっている産業が3つ確認できました。それが「鉱業と伐採」「輸送と保管」「情報」の3つです。中でも「情報」は3ヶ月連続して減少しており、IT産業は依然として厳しい状況に置かれていることが分かります。

また、アメリカではトラック運転手の人手不足が問題になっていますが、「輸送と保管」の雇用者数が3.4万人減少していることをみると人手不足は改善されていないことが伺えます。

今月も雇用を支えたのは「民間教育および医療サービス」でした。この産業は景気動向の影響を受けにくく、8月も10.2万人規模の新規雇用を生み出しました。
非農業部門雇用者数が18.7万人増でしたが、その内10.2万人は、「民間教育および医療サービス」によるものでした。全体の数字の半分以上が民間教育および医療サービスによるものであり、それ以外の産業はあまり活況ではないと考えられます。

物流とITの雇用者数が増えてくるのかどうか。今後アメリカ経済を左右する大きなカギになるのかもしれませんね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
米労働省
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