金先物が1グラム1万円の時代
2023年12月05日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
ついに、1グラムの金が1万円する時代がやってきました。
2023年12月4日(月)、国内の先物市場である大阪取引所の金先物価格は、一時10,028円/グラムまで上昇しました。
先週末の夜間立ち合い終値は、9,765円/グラムでしたので、週明けから急上昇でのスタートになりました。
値動きをチャートで見ると、つぎのような値動きになっています。
大阪金(2024年10月限)-1分足
(出所:TradingViewによる金先物チャート)
米国の利上げ打ち止め観測やイスラエル情勢などの地政学的リスクによって金への買いが集まったと見られていますが、私が注目したいのはその「時間」です。
国際商品である金は、世界中の市場で取引されています。大きく分類すると現物(スポット)市場と先物市場に分けることができますが、どちらも「金(ゴールド)」を取引対象にしていますので、その価格に大きな違いはありません。
シドニー(オーストラリア)、大阪(日本)、香港・シンガポール、チューリッヒ(スイス)、ロンドン(英国)、ニューヨーク(米国)といった流れで取引がされており、平日であれば24時間いずれかの市場がオープンしていますが、日本時間の月曜朝という時間帯は欧米から見るとまだ日曜日の夜にあたり、市場参加者が少なく、流動性に乏しい市場となりがちです。
今回、金価格が1万円/グラムまで上昇しましたが、1万円を上回っていたタイミングは、8時49分から8時52分までの「4分間」だけで、それ以降はズルズルと値を下げてしまいました。
(1)高値を維持した時間が極めて短時間だったこと、(2)そのタイミングが市場参加者の少ない時間だったこと、(3)1万円というキリの良い価格まで上昇したこと、などを鑑みると、俗にいう「フラッシュ・クラッシュ」のような現象が起きたのかもしれません。
流動性が低下したタイミングでは、想定外の値動きをすることがあるというお手本のような値動きでした。
さて、問題はこれからです。
金価格は「1万円/グラム」というわかりやすい目標を一度達成しました。長い目で見れば「1万円/グラム」という価格は通過点なのかもしれませんが、短期的にみると目標価格が達成されたことで荒い展開になりやすい状況です。
しばらくは値動きが荒くなる可能性が高いと考えていますので、取引される方は、いつも以上に資金管理を心がけてください。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。