異常気象とチョコレート
2024年03月04日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
皆さんチョコレートはお好きですか?
先日報道されていた話題ですが、帝国データバンクの調査によると2024年3月から728品目の食品の値上げが実施されるそうです。色々な食品が値上げされますが、特に目立っているのがチョコレート加工食品の値上げです。
どうしてでしょうか。
チョコレート加工食品が値上げされる大きな要因となっているのは、主原料であるカカオ豆価格の高騰と関係しています。
カカオ豆の変動をグラフで確認してみるとすごい値動きになっていました。
ココア先物取引チャート
(出所:TradingViewによるココア先物チャート)
2022年時点で2,500ドル/tほどの価格で取引されていたココア先物価格は、急激に上昇し2024年3月4日現在6,300ドル/tまで上昇しています。1年半ほどの時間で価格が2.5倍にもなってしまいました。
おいしいチョコレートを作る際に必要なのはココアだけではありません。甘味が肝心なので砂糖が大量に使われています。
砂糖の価格はどうなっているでしょう?
砂糖先物取引チャート
(出所:TradingViewによる砂糖先物チャート)
2020年時点で0.13ドル/lb程度だった砂糖先物価格は、2021年以降上昇し始め、2023年秋には、0.28ドル/lbまで上昇しました。2022年当時の価格と高値を比較すると2.1倍にもなっています。
チョコレートの2大主原料であるココアと砂糖の価格が上昇してしまっている以上、チョコレート加工菓子が上昇するのも仕方がないことです。
ちなみにココアの原料であるカカオ豆はどこで採れるのかご存じですか?
2021年のカカオ豆生産量は次のとおりでした。
世界のカカオ豆生産量(表)
地域 | 国名 | カカオ豆 生産量 |
西アフリカ | コートジボワール | 2,200 |
西アフリカ | ガーナ | 822 |
東南アジア | インドネシア | 728 |
南米 | ブラジル | 302 |
南米 | エクアドル | 302 |
中央アフリカ | カメルーン | 290 |
西アフリカ | ナイジェリア | 280 |
南米 | ペルー | 160 |
– | その他 | 496 |
出典:世界の統計2024 総務省統計局
世界のカカオ豆生産量
出典:世界の統計2024 総務省統計局
年間5580千トンのカカオ豆が世界で生産されていますが、その40%がコートジボワール産のです。二番目に多いガーナ産と合わせると世界シェアの55%を誇っています。
コートジボワール
地図でみるとコートジボワールとガーナは隣同士の国で、面積は322,436平方キロメートル(日本の約0.9倍)なので、日本の面積とほぼ変わりません。
2023年に西アフリカで発生した記録的な大雨の影響で、本年度のカカオ豆が不作になってしまい、2023-24年度のコートジボワールのカカオ豆生産量は、通常よりも20%ほど少ない1,800千トンほどになるとみられています。
世界中で起きている異常気象の影響によってカカオ豆の生産量が減少してしまい、チョコレート加工菓子が高くなっている訳です。チョコレート加工菓子の価格には、原材料以外にも販管費や営業利益などが含まれていますので、原材料価格の上昇と比例した価格上昇にはなりませんが、現在のココア価格の上昇を鑑みると今後もチョコレート加工菓子の価格上昇が続きそうです。
チョコレートがお好きな方は、買いだめしておいた方がよいかもしれませんね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。