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電気への依存度とエネルギー消費

2023年01月31日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

私事ですが、灯油を買うために毎週末ガソリンスタンドに通っていますが、日に日に灯油を買うために並んでいる人数が増えてきたように感じます。光熱費を少しでも抑えるために電気から灯油に切り替えた人が多いのかもしれません。

最近は電気代の話ばかりしていますが、これほど電気代に注目が集まったことはあったのでしょうか。次のグラフは、Google Trendsで調査した「電気代」の検索ボリュームです。

Googleでの検索ボリューム

今年に入ってからGoogleで「電気代」を検索する人が急激に増加しており、過去と比べると5倍から10倍近い検索ボリュームに増えています。

最近では、オール電化の家庭が増えており、電気以外のエネルギーを利用しない家庭が増えてきました。

次のグラフは、家庭におけるエネルギー消費量の推移です。

資料1.家庭部門におけるエネルギー源別消費の推移

出典:エネルギー白書

1965年度の電気消費量は全体の22.8%でしたが、1973年度には28.2%になり、オール電化住宅の普及により2020年には49.9%に拡大しています。

現在、家庭で消費されるエネルギーの約半分は、電気に依存しており、33%を都市ガスとLPガスに依存しています。灯油の消費量は僅か16.2%しかありません。

因みに1965年の消費量をみると最も多かったのは「石炭」の35.3%でした。今から58年前の話ですが、家庭では一般的に石炭ストーブが使われていました。ベテランの北海道出身の先輩社員に聞いた話では、子供の頃、石炭を乗せたダンプカーが家までやってきて、降ろされた石炭を抄って倉庫まで運んでいたそうです。子供にとっては寒い屋外での重労働なので、嫌な思い出として残っているそうです。

資料1.をみると、1世帯あたりの消費エネルギーは1965年度が17,545MJ、1973年度が30,267MJ、2020年度が32,061MJでした。1965年から1973年に掛けてエネルギー消費量は1.72倍に増加しましたが、1973年度と2020年度を比較するとエネルギー消費量は6%しか増えていません。

1973年頃には一般家庭に普及していなかったエアコン、テレビ、PC、冷蔵庫、電子レンジ、スマートフォンなどが今では普及していますが、これら家電製品のエネルギー消費効率の向上によってエネルギー消費量は大幅に抑えられています。

次のグラフは、主要家電のエネルギー効率の変化を表したものです。

資料2.主要家電製品のエネルギー効率の変化

出典:エネルギー白書

技術革新の結果、家電の消費エネルギーは右肩下がりで推移しています。2005年頃の消費量と2019年の消費量を比べると、冷蔵庫やテレビの電力消費量は、当時の半分以下にまで抑えられました。

意外と変わっていないのがエアコンの電気消費量です。2005年の電力消費量は919kWh、2019年の電力消費量は801kWhですので、14年間で13%しか省エネされていませんでした。

巷でエアコンの消費エネルギーは10年前と比べて半分くらいになったという話を聞きますが、グラフを見る限り、それは過去の話です。確かに1995年と2005年を比べると38%以上効率が良くなっていますので、その頃買い替えた方は効果を実感できたと思います。しかし、その後の効率向上は緩やかなものになってしまっています。エアコンが作られた年度やグレードにもよりますが、今買い替えたとしても劇的な省エネ効果は期待できません。

元々の消費電力が少ない家電を買い替えたとしても省エネ効果は限定的です。効率良く電気代を抑えるためには、電気に変わる代替エネルギーを活用する以外方法はなさそうですね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
資源エネルギー庁

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