皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
昨晩発表された、ECB政策金利は事前予想どおり、前回よりも0.25ポイント高い4.25%に引き上げられました。
アメリカ、欧州ともに中央銀行は金融引締めを実施したことになります。
ECB政策金利の推移は次のとおりです。
ECB政策金利
出典:欧州中央銀行
9会合連続して利上げを実施し、4.25%まで引き上げられたことになります。過去を振り返ってみると、欧州中央銀行は、2016年3月から2022年6月まで0(ゼロ)金利政策を実施していましたが、急激な物価上昇をおさえるため、利上げを実施した訳です。
以前もお話しましたが、アメリカと欧州では、企業の資金調達方法が大きく異なります。
次のグラフは日・米・欧の資金調達方法(金融負債構成)を表したものです。
民間非金融法人企業の金融負債構成
出典:資金循環の日米欧比較-日本銀行調査統計局
米国は、事業運営に必要な資金の70.5%を株式等によって調達していますが、日本やユーロエリアにおける割合は50%台と低くなっています。代わりに多いのが「借入」です。ユーロエリアの企業では必要資金の26.9%を借入によって運営しています。銀行から融資を受けている訳なので、当然そこには利息が発生します。借入金の利息は、その国の政策金利の影響を大きく受けていますので、金利が引上げられると支払わなければならない利息が増えてしまいます。
ユーロエリアの企業業績に影響してこないのか。この先が心配です。
なお、本日、日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、10年物国債金利についてはこれまでの0.5%利回りよりも0.5ポイント高い1.0%の指値オペを実施することを決定しました。これまで日本は、アメリカや欧州とは違った金融政策をとっていましたが、少しずつ対応に迫られているのかもしれませんね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。