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デフォルメされた情報と情報分析

2024年02月14日


皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

1月のアメリカの消費者物価指数(CPI)が発表されました。今後の政策金利の行方を占う意味でとても重要な発表でしたが、結果は、前年同月比で3.1%の上昇となりました。市場予想は、2.9%の上昇でしたので、予想よりも0.2ポイント高い結果となっています。

変動をグラフで見ると次のようになります。

アメリカ 消費者物価指数(CPI)前年同月比

出典:米労働省

「消費者物価指数が予想よりも0.2ポイント高かった!」

このニュースだけしか見ていないと0.2ポイントも高く、利下げの実施はもう少し先に思えてしまいますが、きちんとグラフで確認していたら、現在の物価変動は3%台の前半で落ち着いているように見えます。

前月比ではどうでしょうか。次のグラフは前月比の変化を表したものです。

アメリカ 消費者物価指数(CPI)前月比

出典:米労働省

1月に記録した前月比0.3%増という結果は、これまでの変化率と比較して高い訳ではありません。前月比で見ても現在の物価変動は落ち着いているように見えます。

計算してみると分かることですが、前年同月比というのは、前年の1月と比べてどのくらい変化したのかを表していますので、前年の2月~12月の変動に1月の変動を掛け算した結果がそれです。

もし、1月の前月比が、次の結果だったらどうなっていたのか。

前月比 ⇒前年同月比
+0.5 ⇒ +3.3
+0.4 ⇒ +3.2
+0.3 ⇒ +3.1
+0.2 ⇒ +3.0
+0.1 ⇒ +2.9

今回の前年同月比が3.1%増と予想よりも高かったのは、前月比が予想よりも0.2ポイント高かったためです。

今回の消費者物価指数の結果を受け、NY株式市場は、大きく値を下げる結果になってしまいましたが、変動をグラフで確認すると物価変動は落ち着いていますので、株式市場の反応は過剰反応だったとも考えられます。

消費者物価指数の結果をニュースサイトだけを見て確認するのと、データの変動を自分の目で確認するのでは、違った答えが見えてきます。

一般に記事は多少大げさに書かれています。読んでいる人もデフォルメされた記事の方が読んでいて面白いため、そのほうがPV数や購買数が増加するからです。物価変動が想定内だったとしても、予想と違ったことを強調して書くというのはよくあることです。 

重要な情報は自分の目で確認することで、情報に振り回されることも軽減できると思います。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
米 労働省

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