皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
今朝の東京地方は雨が降ったこともあり一段と寒い朝を迎えました。もうすぐそこまで冬がやってきていますね。寒くなってくると考えなければならないのが、暖房器具です。
エアコン、ガス・ファンヒーター、石油ファンヒーター、オイルヒーター、こたつ、石油ストーブ、薪ストーブなど、暖を取る方法はいくつもありますが、家族構成や外気温によって最適な暖房器具が違ってきます。安全性、便利さなど利用者によって優先順位は違いますが、今年注目しなければならないのが、エネルギーコストパフォーマンスです。
そもそも、どうしてエネルギーコストパフォーマンスの話をしているかと言うと、我が家の夏場の光熱費が許容範囲を超えてしまったからです。
10月の請求額は電気料金が25,755円、ガス料金が4,997円で合計すると30,752円請求されました。電気料金の計測期間はエアコンをガンガン使用する8月8日から9月7日だったので仕方がないのかもしませんが、それにしても高すぎます。光熱費だけで毎日1,000円使っていたことになります。
気になったので調査してみましたが、光熱費が上昇したのは我が家に限った話ではなく、日本全体で上昇していました。
グラフ1.標準家庭の電気・ガス料金
出典:東京電力、東京ガス
ここでいう標準家庭というのがどんな家庭かというと、電気は「従量電灯B・30Aに契約して、月に260kWh消費する家庭」、ガスは「月に30平方メートル利用する家庭」を指します。このモデルケースは、いずれの月も同じ消費量で計算されているので、実際の消費動向と結果が異なります。
グラフ1.をみてお気づきだと思いますが、電気、ガスともに2021年1月以降上昇しています。
表1.電気・ガス料金の比較(2021年1月と2022年12月)
2021年1月 | 2022年12月 | 差分 | |
電気料金 | 6,319 | 9,127 | 2,808 |
ガス料金 | 4,298 | 6,750 | 2,452 |
計 | 10,617 | 15,877 | 5,260 |
出典:東京電力、東京ガス
いずれの月も同じ消費量ですが、金額が大きく違います。標準的な家庭では2年間で5,260円(1.49倍)も多く払うことになってしまいました。
これを救済するため、日本政府は、一般家庭の電気料金負担軽減策を発表しています。
実際に電気料金負担軽減策が実行されるようになれば、標準家庭の電気料金が1,800円ほど、ガス料金が900円ほど抑えられることになり、合計で2,700円の負担軽減が見込まれています。
表1.で確認した増加金額と電気料金負担軽減策の恩恵額を比較すると圧倒的に前者の方が高額です。現在のエネルギー価格高騰を鑑みると今後の家計負担額の増加は避けられそうにありません。
話を本題に戻します。
今回のテーマは、どの暖房器具のコスパが良いかです。
いずれの暖房器具も、エネルギーを消費することで熱量を生み出しています。エアコンであれば、気体を圧縮することで熱を生み出していますし、ガス・ファンヒータ-や石油ファンヒーターは、ガスや灯油を燃焼することで熱を生み出しています。中学の理科の授業で習いますが、「エネルギー保存の法則」により、電気、ガス、灯油を消費した時、それらが持つエネルギー以上の熱エネルギーが生み出されることはありません。
ということは、それぞれがどのくらいの熱量(カロリー)を持っているかが問題になってきます。電気は1kWhあたり860kal、ガスは、1平方メートルあたり10,750kal、灯油は1リットルあたり7,867kalのエネルギーを持っています。
ガス ・・・10,750kal/1平方メートル
灯油 ・・・7,867kal/1L
それぞれ分母が違うので、金額で合わせると次のようになります。
表2.百円あたりの熱量(カロリー)-2022年12月標準家庭を基準に算出
電気 | ガス | 灯油 | |
単価(料金/消費量) | 35.1 | 225 | 111.6 |
熱量 | 860 | 10,750 | 8,767 |
100円あたり | 2,450 | 4,778 | 7,859 |
※電気・ガス単価は、標準家庭の料金(2022年12月)を消費量で割って算出。灯油は、石油製品価格調査の全国平均(2022年11月7日週)から算出。
100円あたりで得られる熱量(カロリー)は、電気が2,450kal、ガスが4,778kal、灯油が7,859kalでした。同じ料金で灯油は電気の3.2倍ものエネルギーを持っています。
調査の結果、同じ料金で圧倒的な熱量(カロリー)を持っているのは灯油、ということが分かりました。
ということで、今年の冬、私は、石油ファンヒーターデビューしました。
資産形成においてどんな金融商品で運用するのかだけではなく、できるだけ無駄な出費を減らすことは、生活にゆとりを持たせる意味でとても重要なことです。財布にやさしく暖を取ることをお考えの方は、暖房器具の見直しをお考えください。
今日は、暖房器具によるコスパの違いについてのお話でした。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
P.S. 明日から遅い夏休みをいただく予定なのでしばらくコラムの更新はお休みします。