過剰反応を示した3月の米消費者物価指数
2024年04月11日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
3月のアメリカの消費者物価指数(CPI)が発表されました。
事前予想は、前月比が0.3%の増加、前年同月比が3.4%の増加でしたが、いずれも予想を上回る結果になりました。
早速ですが、物価変動をグラフで確認していきましょう。
米消費者物価指数(前年同月比)
出典:米労働省
3月の結果は、2月よりも0.3ポイント高い3.5%でした。グラフで見ると2023年6月以降の前年同月比は3%台で落ち着いているように見えます。
米消費者物価指数(前月比)
出典:米労働省
3月の結果は、0.4%でしたが、グラフで確認すると、この変動率が特段高いという訳ではないことが分かります。直近12か月の平均は0.28%であり、変動率が0.4%以上を記録したのは、12か月以内4回もありました。
0.4%という変動は、通常起こり得る変動率です。
なお、前年同月比が0.3ポイント跳ね上がったのは、2023年3月の0.1%とのギャップから生じたものです。
今回発表された米消費者物価指数の結果を受けて、FOMCが利下げを開始する時期が遠のいたとの予測が強まり、円安ドル高や米国株安が引き起こされた訳ですが、本当にビックリするような結果だったのでしょうか?
人によって見立ては違うと思いますが、直近の変動率に着目すると物価変動は「落ち着いている」と判断できると思います。
次の5つは今回発表された消費者物価指数に関する記事の見出しの抜粋です。
<Google検索により見出しのみ引用>
・米3月の消費者物価指数 為替は円安に 1ドル=152円を突破
・3月の米消費者物価指数、3.5%上昇 ガソリン・家賃高く
・米3月CPI+3.5%に加速、予想上回る 利下げ予想9月に後ずれ
・アメリカ 3月の消費者物価指数 前年同月比3.5%の上昇
とてもインパクトのある見出しで、この見出しだけみると、アメリカの消費者物価がものすごく上昇しているような印象を受けてしまいますが、実際の変動は先ほど確認したとおりです。
現在のマーケットは、敏感に反応しやすい状態にあり、昨日の変動は、過剰反応だったのかもしれませんね。
急激な価格変動に振り回されないよう、余裕を持ったトレードを心掛ける必要がありそうです。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。