皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
先週末、34年ぶりに日経平均株価が史上最高値をの更新に成功しました。まさに歴史的快挙です。
これまで、株価が上昇した記事を書く際、「〇年〇カ月ぶりにバブル期後の高値の更新に成功!」との表現を使っていましたが、今回の上昇でバブル期時の高値を更新したため、今後は「バブル後の高値」という枕詞を使う必要がことはなくなった訳です。
現在も、史上最高値水準での取引が続いていますが、この高値がいつまで続くのかを判断するためにもバブル期の高値と景気循環の関係について考えてみたいと思います。
一般にバブル景気と言われている期間は、景気循環でいうところの「第11循環」に当たります。1986年11月の谷から1991年2月の山にかけての景気指数(CI一致指数)が、俗にいう「バブル景気」に相当する訳です。
CI一致指数の推移
出典:内閣府参考資料
景気指数(CI一致指数)は、上層と下降を繰り返していることがわかります。景気は、拡張期と後退期を一循環としています。
景気指数の変動と株価の変動を比べるとどうなるか。
次のグラフが、「第11循環(バブル景気)」に相当する期間の価格変動です。
日経平均(1986年11月-1991年2月)
(出所:TradingViewによる日経225チャート)
第11循環の拡張期は、1986年11月(16,911円)から1991年2月(25,881円)までなので始まりと終りを比較すると8,970円の上昇が確認でていきます。皆さんよくご存じのように株価が高値を付けたのは、1989年12月末のことなので、景気循環の山と株価のピークのタイミングは大きく離れてしまっています。
これは、株価は、一致指数ではなく、先行指数であることから起きるズレです。一般に先行指数は、数か月先を行くするとされています。景気動向指数に組み込まれている東証株価指数(TOPIX)は、景気の先行指数として登録されています。
これは、実際に株式を売買する際にも意識しなければならないズレです。
「○○という商品が売れているから株を買う。」「○○会社の業績が良いから株を買う。」というのは現在起きている事実であり、将来の出来事ではありません。
先行指数の売買の判断に今起きている事実を判断材料として取り入れる利用するという行為は、タイミングとして遅すぎる訳です。
バブル景気(第11循環)のピーク(山)が来た時には、すでに株価はピークアウトしており、バブル景気のピークが確認されたのは、日経平均株価が最高値を付けた1年2か月も後のことでした。
ちなみに現在は2020年5月を谷とした第17循環の拡張期です。この拡張期がいつまで巣続くのかは分かりませんが、株価が先行指数である以上、近未来に起きる現象や変化への期待感が弱まった時にピークがやってくるとも考えられます。
将来への期待が持てているうちは、株価も高止まりするのかもしれませんね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・内閣府経済社会総合研究所