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1月3日はフラッシュ・クラッシュにご注意を

2021年12月29日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

2021年も残すところ、あと3日です。
今日からお正月休みに入った方が多いのか、今朝の電車はガラガラでした。

さて、年末に相応しい話題かどうかは分かりませんが、「天災は忘れたころにやって来る」という格言があります。これは、自然災害は被害の恐ろしさを忘れたころに再び起こるので、油断することなく、それに備えておかなければならない、という意味の言葉です。

なぜ年末にこんな話をしているのかというと、今年のお正月は「フラッシュ・クラッシュ」の発生を警戒した方が良さそうだからです。

※フラッシュ・クラッシュとは、瞬間的に相場変動する(通常は暴落)現象をいいます。

今から3年前の2019年1月3日の朝、為替市場でフラッシュ・クラッシュが発生しました。

詳しくは、「バックナンバー:フラッシュ・クラッシュとくりっく365市場」をご覧ください。

2019年は1月1日が火曜日だったため、1月2日水曜日の朝から為替市場がスタートしました。2日の取引は平穏に終了しましたが、その相場が激変したのが1月3日木曜日の朝です。NYタイムが終了し、市場参加が少なくなるオセアニアタイムに移ったタイミングで相場が急変してしまいました。1月3日は、日本の金融機関は休みだったこともあり、市場参加者が極端に少なかったことも要因だと考えられています。

この日の朝の値動きはご覧のようになりました。

くりっく365 (2019年1月2日終値と2019年1月3日始値)
・ドル円        108.895 ⇒ 106.795(-2.1)
・ユーロ円       123.57  ⇒ 121.11(-2.46)
・ポンド円       137.27  ⇒ 133.54(-3.73)
・豪ドル/円      76.055  ⇒ 73.77(-2.285)
・トルコリラ/円     20.09   ⇒ 19.44(-0.65)
・ランド円       7.52    ⇒ 7.31 (-0.21)

ご覧のようにメジャーカレンシー中心に大きく値下がりしました。ドル円で-2.1円、ユーロ円で-2.46円と通常では考えられないような変動です。

市場参加者が少ない時のほんの僅かな時間に注文が集中すると、マーケットのキャパシティをオーバーしてしまい、フラッシュ・クラッシュを誘発しやすくなってしまいます。特にコンピュータが自動的に売買注文を出すアルゴリズム取引は、時間に関係なく注文されるため、一度動き出した相場を一方通行に加速させることに繋がってしまいます。

2022年1月3日月曜日は、相場激変の引き金になりそうな要因がひとつあります。
それが、トルコリラ円の証拠金増額です。

当社を含む多くのくりっく365取扱会社では、「レバレッジ25倍上限付きHV方式」という証拠金基準額をもとに顧客の取引証拠金額を決定しています。HV方式というのは、ヒストリカル・ボラティリティの略で過去の価格変動に応じて証拠金を決定する方式です。

証拠金基準額は毎週見直されるのですが、HV方式では過去の価格変動が激しければ激しいほど証拠金が高くなります。
先週、トルコリラ円相場は大きく変動しましたが、その影響から1月3日月曜日から適用されるトルコリラ円の証拠金は大幅に増額されることになりました。

12月27日週   5,310円
1月3日週     11,270円
その差分      5,960円

一枚当たり5,960円の増額となります。

2021年12月28日時点でのくりっく365トルコリラ円取引の総建玉数量は217,700枚、その79.1%が買建玉ですので、172,200枚の買建玉が保有されていることになります。
くりっく市場でのトルコリラ円の買い手となっている投資家へ、総額で10億超(5,960円×172,200枚=10億2631万円)の追加預託が求められることになります。

どれだけの人が追加資金の預託に対応できるのか分かりませんが、資金に余裕が無い人の売り決済注文やロスカットによる強制決済の売り注文が1月3日の朝に大量に発注されると、フラッシュ・クラッシュが発生する恐れがあります。

2019年とは異なり、今年はあらかじめ相場激変となりそうな要因が分かっていますので、事前に対応しておくことが可能です。トルコリラをお持ちの方は、年内に、追加の資金預託や建玉縮小などリスク回避の対応をしていただくことをお勧めします。

天災は忘れたころにやって来ますが、「備えあれば患いなし」ですね。

今年も1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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