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米・農業部門雇用者数

2018年04月11日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

毎月発表される米・雇用統計

なんらかのトレードをおこなっている方であれば良くご存知だと思いますが、その日発表されるデータで注目されている項目は2つあります。

ひとつが失業率

もうひとつが非農業部門雇用者数です。

昔から疑問だったのですが、なんでわざわざ農業部門と限定するのでしょうか。

雇用統計を発表する「アメリカ合衆国労働省労働統計局」のページをみると「Nonagricultural Industries」と記載されており、英語で見ても農業部門と謳っています。

あまり知られていませんが、雇用統計発表の際、非農業部も含めた雇用者数も発表されています。

今日はその辺の謎を考えてみたいと思います。

 
 

農業部門の雇用者数

まず、農業部門の雇用者数についてです。

一般的に用いられる数値は前月比で何万人増えたかですが、これとは別に雇用者数が何人なのか。具体的な数値も発表されています。

2018年3月の農業部門雇用者数は1億5274万7千人でした。

このデータは1948年からあり1948年1月の農業部門雇用者数は4998万4千人でした。この70年間で1億人以上雇用者数が増加した計算になります。

グラフにしたものが次のデータものです。

ところどころで停滞する局面が何回かありますが、基本的にアメリカの農業部門雇用者数の推移は右肩上がりで推移していることが解ります。

 
 

全雇用者数

続いて見ていただきたいのが農業部門を除いていないデータです。

2018年3月の値は1億5517万8千人でした。これが農業部門を除いていない雇用者数です。こちらのデータも1948年からあり、1948年の1月データは5806万1千人でした。全体の増加は1億人弱でした。

先ほどの農業部門のグラフに全雇用者数のデータを加えたものが次のグラフです。

当然、農業部門に農業部門の雇用者数が乗っかっていますので全雇用者数の方が多くなります。

グラフを見ると最近よりも昔のほうが2本の線が離れているように見えませんか?

この2本の線の開きが農業部門の雇用者数です。

 
 

農業部門雇用者数

最新のデータである2018年3月の農業部門の雇用者数は2,431,000人でした。1948年の農業部門雇用者数は8,077,000人でしたので農業部門の雇用者はこの70年間で約30%まで減少していました。

その推移をグラフにしたものが次のものです。

その推移をみると項目を3つに分けることができます。

1つ目が1948年から1970年にかけてです。

この時期、農業部門の雇用者数は急激に減少し1960年台後半には400万人を割り込み1948年の半数まで減少しました。

1970年台前半から1999年までは300万人台をキープし、その雇用者数はほぼ横ばい状況が続きました。

2000年台に入ると雇用者数は200万人台まで減少しました。

3つのデータをひとつのグラフにまとめたものが次のものです。


最大の疑問はなぜ農業部門雇用者数が注目されるかです。

 
 

雇用統計に農業部門を除く理由を考えてみる

ここからは憶測ですが、歴史的背景を考えると戦後、世界各国で工業化が進み、農業を営みとしていた人たちは、農業を辞め工場で仕事をする人達が増加しました。1948年から1970年に掛けて農業部門の雇用者数が減少しているのはそのためだと考えられます。

例えば、農業部門で雇用されていた人がその仕事を辞めて工場で雇用された際、全体の雇用者数は「(-1)+(+1)」で「±0」ですが、農業部門に限定した際は「+1」だけなので雇用者数は増加します。

経済に与える影響は農業よりも工業のほうが大きいので如何に近代化されたかを分析する上で非農業部門に限定したほうが良かったのかもしれませんね。

実際はどうしてなのでしょうね。

本日はアメリカの農業部門雇用者数についてのお話でした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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